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international news_2010.04.07

Ghostly International : 初のクラシック作品に挑戦

Text by HigherFrequency

Matthew Dear や Tadd Mullinix などが所属するアメリカのレーベル Ghostly International が、初めての試みとなるクラシック作品をリリースすることが明らかになった。

今回発売されることになったのは、ミニマル・ミュージック界の大御所、Terry Riley が 1964年に発表したコンポジション "In C" で、これまでも Steve Reich、Pauline Oliveros といった優れた後継者たちが取り組んできた、ミニマル・シーンの金字塔とも言われる作品。Grand Valley State University New Music Ensemble が、昨年11月にニューヨークの Le Poisson Rouge で演奏した際の模様を収録した内容になる模様だ。

合計53個の独立した音楽的モジュールから構成され、それぞれのモジュールが異なったパターンを奏でながら半小節から32小節まで継続的に演奏される "In C"は、クラシック系のミニマル・アーティストのみならず、Jeff Mills を筆頭としたテクノ系ミニマリストにも多大な影響を与えてきたと言われている。

このリリースに際して Ghostly International は、「一つ一つのモジュールが絡み合うように展開するその様は、まるで催眠術的な儀式のよう。"In C" は、20分から数時間という幅広いレンジで演奏することが可能であり、時としてそれは、笑うようにさえずる鳥の群れのように聴こえたり、自分でハミングしている山の湖の声に聴こえたり、はたまた、野生のピアノの集団が発情期を迎えているようにも聴こえる」 とコメントしている。

自分でハミングする湖に、野生のピアノの集団が発情期・・・。なかなか深〜い発想であるが、音楽はまず聴いてみるもの。果たして、野生のピアノの集団が脳裏に登場するか、ましてそれらが発情期を迎えているかどうかは定かではないが、ミニマル・ミュージックの原点に触れてみたい方は、是非、一度耳を傾けてみてほしい作品だ。

ちなみに、今回の作品の収録時間は65分。16人編成での演奏となっているとのこと。



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