信仰に目覚めるパーティー・ピープル達

international news_2009.04.06

信仰に目覚めるパーティー・ピープル達

Text by Jonty Skrufff (Skrufff.com) _ Translation by Shogo Yuzen

Soul 2 Soul で Marshall Jefferson とコラボレートした Kim Mazelle が福音主義のクリスチャンになったことを公表した。そして、彼女は９０年代初頭に米国からUKに活動拠点を移動してからの成功への道のりは彼女にとって険しいものであったことを語った。

「ショービジネス界はとても危険な世界にもなりえるところで、私はこの国で活動する中でたくさんの険しい道に遭遇したわ。色々な落とし穴にはまったこともあったの。たとえばパーティー・シーンである男の人に出会って、彼がやってたドラッグにハマったりね。」と彼女は Voice News Paper に打ち明けた。

本来はオペラシンガーであり、ソロでは 'Love Me The Right Way' をヒットさせた彼女は現在イビザやロンドンのゴスペル・イベントでパフォーマンスを行っており、ライブでは自身が改宗したことを明るく語った。さらに彼女は同じく８０年代初頭に福音主義のキリスト教に改宗したことで知られる、ソウルシンガー Candi Staton の７０年代のディスコクラシックである 'Young Hearts Run Free' をカバーしたことでも成功を収めた。

数年前に彼女が Skrufff と話した際に彼女はその頃の親友達であった Diana Ross, Gloria Gaynor, Patti Labelle や Chaka Khan と共に遊びに出かけていたこと、退廃的なディスコシーンを多いに楽しんだことを語っていた。

「私は踊ることや、パーティーの興奮、そこで出会う人々が大好きだったの。昔はよく Studio 54 に行って、一晩中そこにいたわ。DJ達が私に気づくと、お酒を奢って踊りに誘ってくれたから、お酒も全部タダだったわ。あれはまさに終わりなきパーティーだったわね。」

そして’８２年には彼女は心から福音主義のキリスト教を信仰することになり、それ以来彼女は今までよりも幸せに日々を過ごしていると言う。

「神様を信仰することを素晴らしいことよ。私に平和を与えてくれるの。今の私の状況はお金では変えられないものだわ。私は今までずっと探し続けてきたような平和を手に入れることが出来たの。神様が今の私にとって一番近い存在だと言えるわ。」

また、アシッドハウスの先駆者である DJ Pierre と Green Velvet も英国初のジャンルを超えたヒット曲 'Love Can’t Turn Around' を生み出した Farley Jackmaster Funk と共に改宗したことで知られている。’０４年の Skrufff とのインタビューで Farley は彼のスーパースターDJとしてのキャリアが成功を収めた頃、数々の女性に魅了されたことを語った。

「僕にとってあれは驚きだった。いや、誰でもあの状況だったらビックリするんじゃないかな？あの頃に段々僕は人生に現実味を感じなくなっていったんだ。あんな状況にいると女の子達は自分が男前だから寄ってきてるんだって思い始める。本当はそうじゃなくてもね。実際には女の子達はただ自分の成功や権力に引かれていただけだった。僕はクラブ内でもっとも名前が売れているDJだった。それに女の子達が魅力を感じていただけだったんだ。僕は太っていたし、見た目は決していいとはいえなかった。だから、女性たちが自分によって来るのには見た目以外の何かの理由があるはずだったのに、段々自分がわからなくなっていったんだよ。それだけの女性に言い寄られていると、鏡の中の自分を見て、今まで見えていた自分じゃなくて、見たい自分が見えるようになるんだ。自分のことを見て『女の子達は僕がハンサムだから僕に惹かれているんだ』って思ってた。完全に現実が何なのかわからなくなっていたんだろうね。」

トップに君臨するために戦い続けたが、彼のキャリアは徐々に衰退していった。しかし、‘９０年、彼は改宗し、人生を見直したのであった。

「トップに君臨し続けることは本当に困難なことなんだ。『世界を手にすれば、引き換えに魂を失う』っていう言葉が聖書にもあるんだけど、まさにその通りなんだ。１番でいようとすれば、それと引き換えにたくさんのモラルを失うことになる。トップに残るためにやらなくちゃいけないことなら、僕はどんなことでもやった。たくさんの人に崇拝され続けたいがために、人の気持ちなんて考えずに行動してたよ。でもどんな大きな成功を収めたって、１番で居続けるってことは魂を失うことなんだ。」