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international news _ 2006.04.26

Exit フェスティヴァルのオーガナイザーが EU のビザ代引き上げに抗議

Text by Kei Tajima (HigherFrequency)

セルビアの南東ヨーロッパ市民協定団体 (CPEE) と、Exit フェスティヴァルのオーガナイザーが、EU がビザ代を35ユーロから60ユーロへ値上げする予定でいることに反対するキャンペーンを展開し、ヨーロッパに住む人々に対し、自分たちの言語で「60ユーロ、反対」とのメッセージを録音し、Eメールで送るよう呼びかけた。

グループは、20カ国すべての声のサンプルが集まった時点で、エレクトロ/ブレイクス・スタイルのトラックを作り、ラジオで放送したり、DJ やプロモーターに配るとのこと。もちろん Pet Shop Boys や Dave Clarke、Franz Ferdinand などのヘッドライナーにも配られるということだ。

「ヨーロッパに住む人のほとんどは、彼らと同じ年代の西バルカン諸国の人々が彼らほど自由に旅行できないってことを知らないんだ」(CPEE) のチーフ Rajko Bozic はSkrufff に話した。

「僕たちが置かれている現状を知った人はだいたい協力的になってくれるよ。ヨーロッパの中で、逆効果を招くシェンゲン査証システムに反対する人々を増やしていきたいんだ。少なくとも社会的意識のある人々の中でね」

また、Rajko は非常に官僚的で、しばし屈辱的とも言える手順、高いコスト(最高200ユーロ)によって、すでにビザを取ることさえも難しくなっていると話し、今回のビザ代引き上げによって、蓄積されてきた市民のストレスが爆発するかもしれないと忠告した。

「今回のビザ代の引き上げは、最近のミーティングで EU 外務大臣が発した『将来的に西バルカン諸国は EU 連合に仲間入りを果たすことになるだろう』という言葉に相反している」彼はこのように地元のニュース・グループ B92 に対して話した。

「価格上昇を認めることは、ヨーロッパの統合を信じて止まない、セルビア・モンテネグロ、ボスニア・ヘルツェゴビナ、マケドニア、およびアルバニアの人々にとって相当のダメージになるに違いない」

BBC とのインタビューの中で、「私たちは自己嫌悪の塊となってしまった。除け者にされ、何に対する行動力もない。行動力がないから、除け者にされる…そんな悪循環をストップさせたいんだ」と語り、セルビアの孤立は、若年層に冷淡さと皮肉さをもたらしていると話した。

加えて Rajko は、一つの地域を隔離し続けることによって、事態がさらに悪化しまっていると警告した。

「セルビアの若年層の民族間の分離率は、ヨーロッパの平均より高くなっています」

「他の文化の若年層との交流を全く持たないことによって、この国の若者は、その策略が民族間の偏見と陰謀説に基づいている国家主義的な力の完璧なターゲットにされてしまっているんだ」



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