HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Yosihiro Okino Interview

日本の Jazz Crossover には欠かせない存在としてシーンを牽引する確かな活動を展開している Kyoto Jazz Massive の一員であり、自身が運営する Especial Records でも Sleep Walker, Hajime Yoshizawa, DJ Kawasaki などの話題の作品をリリースし、世界中から注目を集めている沖野好洋がコンピレーションを発売するとのことでHigher-Frequency がインタビューを決行。

発売するコンピレーションについてはもちろんのこと自身の音楽観や、今後の活動予定などについて真摯に応えてくれた。

> Interview & Introduction: Ryo Tsutsui (HigherFrequency)

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HigherFrequency (HRFQ) : 今回のミックス CD はどのようなことを意識されて楽曲をセレクトされたんですか?

Yosihiro Okino : 今回のセレクションに関しては、この Freedom Time というのが僕がやっているパーティの名前なんですけど、普段僕がかけてたりとか、僕が紹介すべき新しい音楽、簡単にいうとそれがコンセプトですね。

HRFQ : タイトルの Freedom Time はご自身が大阪でおこなっているパーティとのことですが、ご自身ではどのようなパーティを目指されていますか?

Yosihiro Okino : これは Jazz Crossover 系を紹介していくパーティで、もう十年以上やっているんですが、タイムリーなシーンで注目されているアーティストのリリースパーティを含めた何というかデベロップ的なことををやっていて、まあ僕はこれを関西でやっているんですが、東京とかいろいろなところでブッキングとかオーガナイズもやっていて、海外の DJ、例えば Jazzanova を呼んで関西ではこの僕のイベント、東京では例えば Unit とか Yellow とかっていう風にやったりとか、つねにその僕らの、まあ僕らのシーンって言うと難しいかもしれないけどJazz Crossover の話題の曲とかアーティストを紹介していくっていうのが基本的にはやっていることです。

HRFQ : 生で DJ されるときとミックス CD を制作されるときでは何か意識される違いはありますか?

Yosihiro Okino : 僕はほぼ一緒やと思います。例えば今回の CD でも、自分の中でも例えば DJ しているときに4つ打ちを何曲かつなげようかみたいな感覚に近いというか、今回はコンピレーションなのでそこまでミックスのことを考えているわけではないんですけど、基本的にその曲のテイスト?ピアノだったらピアノで、女性ボーカルだったら女性ボーカルで、ベースラインが印象的だったらベースラインでみたいなところは選曲の中では考えていたりします。アン・ミックスな CD でありながら、やっぱりこう通して、心地よく聴ける選曲っていうのは心がけていたりしますね。

HRFQ : 誰かおきにいりの DJ、ミュージシャンはいますか?

Yosihiro Okino : なんだろ、んー難しいですね。ただやっぱり僕、レコードレーベルをやってるんですけど、今回のこの CD でも、そこのアーティストの作品もしくは彼らがかかわっている作品っていうのをピックアップしてるんで、やっぱりその自分のクルーとか周りにいるアーティストはすごくプッシュしたいっていう気持ちがありますね。

Studio Apartment Interview

HigherFrequency (HRFQ) : 今回のミックス CD のご自身が思う聴きどころを教えてください。

Yosihiro Okino : 今回2枚出すことになっていて、一枚目が ESPECIAL HOUSE で次が FUTURISTIC SOUL っていうやつなんですけど、今回の CD はハウスをフォーマットにしていて、もう一個の方は違うコンセプトですけど、その統一感は聴いてもらいたいかなと、でハウスといってもいろんなハウスを想像する人がいると思うんですけど、例えばテクノっぽいハウスを想像する人もいると思うし、US の王道のソウルフルなハウスが好きな人もいるし、でも僕が選曲したハウスは Jazz Crossover の流れで、Jazz とか Soul のバッククラウンドのある僕みたいな耳がセレクトしたっていう意味ではすごいその、聴いていただいてわかるかどうかはわからないんですけど、なんかその70年代の Soul とか Jazz のより音楽的な感じ?なんかダンスフロアーっていう感じだけでなくて、音楽としても聴ける要素の入った楽曲を僕は自分の好みとして選んでいるということですね。それはこのハウスの方にしてもソウルの方にしてもそうやと思うんですよね。だからそこはなんか注目して聴いてもらいたいと思いますね。やっぱりそのなんかソウル、ソウルって魂の方のソウルですけど、それがある音楽が生き残っていく音楽やと思ってるんですよね。

HRFQ : 今後の活動の予定を教えてください。

Yosihiro Okino : やっぱり Kyoto Jazz Massive をやらないとだめですね。(笑)やっぱり兄貴がソロをやったりとか、あと Sleep Walker、吉澤はじめ、DJ Kawasaki、ぼくらのいわゆるクルーっていうのをどんどん今プッシュしている時期なんで、僕らも僕のレーベル含めて、どんどんプッシュしてますけど、そろそろやっぱり Kyoto Jazz Massive やらないといけないなーと、まあ、今回の CD なんかも布石なんですけどね、兄貴がアルバムだして、僕がコンピレーションで僕らの今のテイストをどんどん紹介していく、その中でやっぱり僕らがアルバムを作らないと、ですでにデモも進んでるんで、まあ年内は難しいかもわかりませんけど、年内シングルでも、一枚でもKyoto Jazz Massive の今の現在進行形の姿っていうのを何とか形にして、出したいなっていうのがまあ目標ですね。

HRFQ : このインタビューを読んでいる人たちにメッセージを!

Yosihiro Okino : やっぱりね、今音楽の選び方って難しくなってきてると思うんですよ。例えば雑誌なり、日本のメジャーが紹介する音楽ってすごい昔より狭くなってきていて、で例えば12インチマーケットとかアナログ・マーケットとかですごいいい音楽がでているにもかかわらずなかなかそういう音楽に触れることって難しくなってきている気がするんですよ。よっぽどコアでないと、自分でインターネットで調べて、この DJ のこの選曲が好きって調べる人はすごく少ない。そういう意味では僕はレーベルもやって、DJ もやって、レコード屋もやって、常にそういうフレッシュな音楽に触れている立場なんで、そんな中でこういうショウケースを作って皆に紹介したいって思っているんですよね。まあ、これは僕のコンピレーションに限らずそういうコンピレーションを聴く機会があったら、それを聴いた上で個々のアーティストの作品にも興味を持ってもらうみたいな、そこから派生して、もっと違う音楽に広がっていくような、きっかけを作って欲しいっていうのが僕がコンピレーションを作る意味でもあるかなと思うんで、そういう聴きかたをしていただけたらホントありがたいかなと思います。

End of the interview

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