HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Sinden

アメリカはニュー・オーリンズ出身、現在はシカゴを中心に活動を展開している Charles Cooper, Joshua Eustis からなるユニット Telefon Tel Aviv。 '01年、Hefty Records からデビューを飾り、ヴォーカルをフィーチャリングしたり生楽器を使うなど、大胆かつ上品でセンス溢れる楽曲が印象的である。

今回、かの Ellen Allien 率いるベルリンの人気レーベル BPitch Control からアルバムをリリースするということで HigherFrequency もインタビューを決行。最近は楽曲制作にあえてアナログ機材を使うとよく耳にするが、Telefon Tel Aviv もその一人だったようで、ヴォーカル・チューンに対するこだわりや独自のサウンドメイキングについてなど、彼等の自然体な人柄が伺えるインタビューとなった。

Interview : Midori Hayakawa (HigherFrequency) _ Translation : Yuki Murai (HigherFrequency) _ Introduction : Midori Hayakawa (HigherFrequency)

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HigherFrequency (HRFQ) : あなたたちの音楽的なバック・グラウンドを教えて下さい。

Joshua Eustis (Telefon Tel Aviv) : 高校のときは僕等は2人共バンドをやっていたんだ。Charlie はいわゆるパンク/スカ系のバンドでビッグ・ホーン・セクションに所属してて、大きなショーのために複雑なアレンジをやったりしてたね。同じ頃、僕はインダストリアル系のバンドをやっていたけど、Charlie 達のバンドに比べれば全然人気がなかったな。その後、僕はニュー・オーリンズの Loyala 大学で音楽理論と作曲法を学んだよ。

HRFQ : お2人はどのように出会ったのですか?

Joshua : 高校時代に共通の友達を通して知り合ったよ。僕のクラスメイトの Anton Falcone が … ニュー・オーリンズではある意味ちょっとした有名人なんだけど、彼がウェストバンクにある Charlie の家の近くに住んでいたんだ。

HRFQ : Nine Inch Nails 、Bebel Gilberto, Radiohead, Apparat, etc… といったロック、ジャズ、テクノまで様々なジャンルのアーティストのリミックスを手掛けていますが、音楽的な面から見て、どういう経緯で彼等と作品を作ることになったのですか?

Joshua : 僕自身は、どうしてこうなったのかあまりよく解ってないんだよね。ただツイてたってのが実際のところかな。Radiohead とは直接仕事をしてなくて、Charlie に Radiohead のカバーをやらないかって話が来て、シンガーとして Lindsay Anderson を迎えることができたんだ。僕達ってラッキーだったよ!

HRFQ : 今後コラボレートしてみたいアーティストや今注目しているアーティストがいれば教えて下さい。

Joshua : 地元ニュー・オーリンズの素晴らしいラップ・グループ、the Hot Boys と本気で仕事してみたい。今アップカミングなグループではないし、すでに国際的に知られててすごくビッグだけど…でも彼らの音楽性にすごく心打たれるんだよね。

HRFQ : ヴォーカルものの楽曲を多くリリースしていますが、ヴォーカルに対するこだわりや思い入れなどあればお聞かせ下さい。 歌詞も自分達で書いているそうですが・・・

Joshua : そうだなあ、つい最近までエレクトロニック・ミュージックといえば、特にアメリカだとそうだと思うんだけど基本的にインストだった。でも僕らにとってのヴォーカルと歌詞は、皆により理解を深めてもらうためのものだったり、より曲を覚えてもらうためのものだよ。大抵の人は、曲がいいとか悪いとかに関わらず、そういった要素があるほうが、おかしな音だとか、かなり剥き出しな感じのエレクトロニック・ミュージックの音よりもよく覚えてる傾向があると思うんだ。ちゃんと意味のあるヴォーカルと、真摯に何かを伝える姿勢があれば、すごく意義があることだと思うよ。

HRFQ : 楽曲制作はどのような環境で行っていますか?アナログシンセを多用していると伺ったのですが…また TELEFON TEL AVIV ならではのおもしろい制作の仕方などあれば教えていただけますか?

Joshua : レコードを作るたびに色々と変化してきたけど、現在はプロセスも、その結果としての音ももっとフィジカルな感じにしたいと思っていて、それでテープ・マシンを使ってアナログのミックスダウンを行なうことで、音により強い『一体感』というか、僕らがやりたかった音を作れたと思う。以前は Pro Tools の中で曲をいじっているだけだったけど、最近はテープでミキシングをするほうがもっと楽しいんだよ。単に歳をとってきたのか、それとも僕らが時代遅れなのか…どっちなのか難しいけどね。 アナログシンセ (もしくはいわゆるハードウェア・シンセ) は今の僕らのやり方にすごく合ってるから、今後もアナログ機材を使うのとアナログのレコーディングをしばらく続けていくことになりそうだな。

Sinden

HRFQ : 今回のアルバム "Immolate Yourself"のリリースまでの経緯をお聞かせ下さい。

Joshua : 本当のところ、特に何もねらって作ってはいなかったんだ。約一年かけて曲作りをしてたっていうプロセスだけで、作業しては休んだりをしながらだらだらと作ってた。それで、年の終わりになってみたら、ものすごくたくさんの曲がデモの状態でごろごろしてて、それで唄をつけてフル・アルバムを作ることになったんだ。

HRFQ : あなた達から見た Bpitch Control の魅力、また今のお気持ちをお聞かせ下さい。

Joshua : BPitch Control は以前から素晴らしいレーベルだよね。僕らが今までやってこなかったような音楽に対する新しいアプローチを教えてくれたし、彼らが次に何をやるかいつも楽しみなんだ。あとは、どうやって皆に音楽を伝えるかっていうアイデアも教えてもらった。BPitch Control は完璧な未来派で、いつも先を見据えた考え方をしているレーベルだと思うよ。僕らは夢見がちだし、何でも言葉で考えがちだから、彼らの考え方はすごくためになるよ。

HRFQ : '06年には山中湖でライブをしていますが、日本の印象はどうですか?

Joshua : (原文ママ) 日本は とても だいすきです。やまなかこは ひろくてきれいですよ。にほんじんは いちばんです。

HRFQ : これまで行ってきたライブでの印象深いエピソードなどあればお聞かせ下さい。

Joshua : (原文ママ) ふじやまのとなりに rollercoaster が ありました。。。ええじゃなかとゆう。すごいだ。。。

HRFQ : 音楽以外にはどのようなことに興味がありますか?

Joshua : 最近は映画と写真にすごく興味があるな。Telefon Tel Aviv のビデオを作るのも楽しんでやってるよ。8mm のフィルムを使ってね。まだ初心者だからすごく大変だけど、色々調べてトライアル&エラーを繰り返すのもある意味クリエイティブだし、好きなんだ。

HRFQ : 今後の活動予定をお聞かせ下さい。

Joshua : とりあえず、まずレコードが出て、そしてツアー、できればフェスにたくさん出たいな…。すでに次のレコードの作業もやってるよ。

HRFQ : 音楽活動を通して新たに挑戦していきたいことはどのようなことですか?

Joshua : 難しい質問だけど、たとえば、絶望だとか、悲しみ、孤独、死、再生、希望…そういうものも表現していこうと思うよ。

HRFQ : 日本のファンのみなさんにメッセージをお願いします。

Joshua : (原文ママ) げんきでね! たのしくね!

End of the interview






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