HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

ドイツ出身の女性アーティスト Anja Schneider が主宰する人気ミニマル / テック・ハウス・レーベル Mobilee の看板アーティストとして活躍している Tassilo Ippenberger、 Thomas Benedix からなるデュオ Pan-Pot。その作品群は、 Richie Hawtin の M_nus にも通ずるディープながらもフロア・ユースなサウンドを放ち、テクノDJから Josh Wink 辺りのハウスDJなどからも熱いサポートを受けている。そんな彼らが今年の10月に待望のファースト・アルバム "Pan-O-Rama" をリリース。そのタイミングでミニマル系DJを中心に大きな話題を集めているところで HigherFrequency がインタビューを決行、アルバムの制作過程を中心とした旬なアーティストの現状をお届けする。

Interview : Nick Lawrence (HigherFrequency) _ Translation : Ryo Tsutsui (HigherFrequency) _ Introduction : Masanori Matsuo (HigherFrequency)

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HRFQ : ニューアルバム Pan-O-Rama は制作するのにどれぐらい時間がかかりましたか?

Pan-pot : アイディアをまとめていくところから最終的にミックスして形になるまでで最低1年はかかったかな。2年前の時点ですでに Anja Schneider と Ralf Kollmann とこのアルバムについて話をしていたから、このアルバムはプロジェクトとしてゆっくり進んでいったといえるだろうね。僕らにできる限りの時間と労力を注ぎ込んだよ。

HRFQ : あなた方はどうして Anja Schneider から Mobilee の最初のアーティストアルバムのアーティストとして指名されたんだと思いますか?

Pan-pot : Mobilee の最初のアルバムに関しては2年前から僕らがやることに決まっていたんだ。それは Anja が僕らと僕らの音楽に信頼を寄せてくれているからじゃないかな?僕らはとても近くで仕事をしていて、実際オフィスとスタジオスペースを共にしているし、 Anja はすべてのプロセスを見てきて、すべての曲に関してアドバイスをくれているしね。

HRFQ : 実際に聴いてみると実際、多くのプロデューサーが表現できていない音像的なレンジの広さやサウンドの深みが感じられます。ダンスミュージックにおいてそのことはどの程度重要だと考えていますか?

Pan-pot : 自分の音楽でどのようなことを表現したいかによるんじゃないかと思う。僕らはダークな雰囲気や音像が好きで、だけどダンスフロアにとっても退屈じゃない音になるように努力している。その中で僕らの音像は僕らが表現したいことにマッチしていると思っているんだ。ただダークさはいいダンスミュージックには必ずしも不可欠ではないからね。テイストの問題だと思うよ。

HRFQ : アルバムの最終曲 Faces は他の楽曲と比べてサウンドに違いがあると感じましたが、この曲でコラボレートした Vincenzo はどの程度その部分に影響を及ぼしましたか?

Pan-pot : ピアノを入れたかったからこの曲には Tassilo と Vincenzo に参加してもらったんだ。トラック的には他とは少し違って聴こえるかも知れないけど僕らの好みが反映された楽曲になっているよ。 Vincenzo は音楽的に才能豊かですばらしいピアノプレイヤーで Faces は Vincenzo のハウス的なルーツと僕らのテイストの融合といえると思う。

HRFQ : アルバムのカバーであなた方はサングラスをかけていらっしゃったりしますし、だれもが Magda の髪型や Luciano の口ひげを欲しがっているように見えます。テクノシーンではどの程度イメージが重要になってきていると思いますか?

Pan-pot : 僕らはもう4年も口ひげがあって毎週手入れをしているし、僕らのヘアスタイルも丁度4年ほど今のままだ。人々が自分の見た目だったり、自分のイメージを意識するのはいいことだと思う。その中でコピーする人もいれば、コピーされる人もいるけど、それがどうしたっていうんだい?人生ってそういうものさ。例えば Richie Hawtin や Luciano の髪型を真似ている人がいたとしてもそれはそれで別にいいじゃない。確かに変だけど僕らはそれをジャッジするということはしないよ。髪型やひげに特許があるわけじゃないしね。

HRFQ : アルバムのプレスリリースによるとあなた方はたった2年で成功を収めてきたと書かれていますが本当にそれほど簡単だったんですか?

Pan-pot : いいや、確かに僕らはここ2年の間にリリースを重ねてきたけど、僕らは4年半ぐらい前から一緒にやってきた。たから倍かかっていることになるね。今は自分たちがやっていることをそのままライブで表現することもできるけど2年半前はそんな感じじゃなかった。そのころは食べていけさえすればそれでいいという感じだったからね。

End of the interview



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