HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Osam M Interview


世界のダンス・ミュージック・リスナーの目を、決して肥沃とは言えない日本のダンス・ミュージック・シーンに向けることに大きく貢献してきたDJ / プロデューサー Osamu M。日本を活動の拠点にしながらも、John DigweedDesyn MasielloDave Seaman といった世界トップ・クラスの DJ にその存在を認められ、世界レベルでキャリアを積んできた彼が、いよいよ今年の10月、ダンス・ミュージックの聖地とも言うべくイギリスに拠点を移すこととなった。

我々日本のリスナーには、今までどおりパーティーでその姿を頻繁に見ることは出来なくなってしまうものの、今までもヨーロッパのプロモーターから多くのオファーを受けていただろう彼だけに、渡英後はパーティーやフェスティヴァルへの参加に更なる期待が出来るのはもちろん、コネクションの広がりから生まれるリリース作品にも注目したいところ。今回HigherFrequency では、渡英を目前とした彼に向けるエールの意味も込め、インタビューを決行。彼らしい冷静で、ダイレクトな口調でその心境を語ってもらった。

> Interview & Introduction by Kei Tajima (HigherFrequency)

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HigherFrequency (HRFQ) : イギリスから Demi を招いて行われる8月11日の Submerge は最後のイベントとなるそうですね。このパーティーはどのくらい続いたのですか?

Osam M : ’01年4月に Maniac Love に Steve Lawler を招聘したのが最初ですね。それから5年間 Womb、ageHa、Unit など様々なクラブで開催してきました。基本的に自分がやりたい形でしかやりたくなかったので、共演したいアーティストがいて、キャパシティや音響など特別空間を実現する条件を満たしているクラブを選びました。とてもいいパーティーだったと思っています。

HRFQ : パーティーのクローズは、ロンドンに移住されることが理由とのことですが、ロンドンへの移住は突然頭に浮かんだことではないと思います。何が決定打となって移住を決められたのでしょうか?

Osam M : 色々ありますが、一番はやはりアーティスト同士は同じ目線で繋がっているのに、日本では「海外アーティスト」と「日本人」みたいな壁があるから、だったらヨーロッパで勝負したいなって思ったんです。ヨーロッパやアメリカが僕の音楽のシーンの中心だと思うし、そこで、本場の人達に実際に見て聴いてもらわないとダメだなって思いました。今でも世界中から沢山のブッキングオファーが来るのですが、そこで飛行機代が高すぎて決まらないって事がよくあるんです。そういった意味でもロンドンを拠点にしていれば動きやすいですよね。後は英語をもうちょっとうまくなりたいっていうのもあります。(笑)

HRFQ : あなたは今までにも日本をベースにしながら、グローバルなレベルで多くの DJ から評価を受けてきました。しかし、世界規模での大きなブレイクを狙うには、やはり日本をベースにしていては難しいのでしょうか? 。

Osam M : 一概には言えませんが、日本にいるだけじゃまず無理だと思います。でも良いトラックを作っていれば海外の人に知ってもらえるし、そうすれば海外からの DJ ブッキングやラジオへの出演などの話がくるようになるし、ブレイクをする可能性はあると考えてます。海外に行けばいいってものでもないし、ただ1つ言える事はトラックを作れなくて、日本で DJ しているだけの人が世界規模でブレイクすることはまずありえないって思っています。

HRFQ : 日本で活躍している DJ の卵も、海外でのブレイクを目指しているなら、思い切って移住する方がいいと思いますか?

Osam M : そうは思いませんが、何か人と違う事をした方がいいと思います。

HRFQ : ロンドンですでに決定しているギグやパーティーなどはありますか?

Osam M : 今の所は何も決めてません。もうそろそろ動こうとは思ってますね。

HRFQ : 最近ではデジタル・ダウンロードがシーンの主流になってきました。いまだにレコードを買われていますか?それともウェブがメインですか?

Osam M : レコードは全く買ってないです。デジタル・プロモがほとんどですね。時間がある時はウェブで曲探ししたりもします。でも一度始めると3時間とか経っちゃって…(笑)

HRFQ : 最近、アップルストアで Ableton を使ったライヴ・セットを行われたそうですが、いかがでしたか?最近のセットリストではこういったニューテクノロジーを使ったセットが主流になっているのでしょうか?

Osam M : 素晴らしいソフトだと思いますよ。DJ の可能性を拡げましたよね。もともと DJ の人もレコードや CDJ では出来なかった事が出来るようになったし、今まで DJ を出来なかったクリエーターの人なんかは、これで出来るようになりましたからね。ただ僕はまだ現場ではほとんど使っていません。自宅でラジオ用のセットなどをレコーディングする場合には使っていますが、実際クラブで使うとなると、オーディオインターフェイスと MIDI コントローラーも持っていかなければならないので。XONE:3D みたいな DJ ミキサーがクラブに常備されてるような時代になったら完全に移行するかもしれませんけど。

HRFQ : Guy Gerber の 'Stoppage Time' や、Group Therapy の 'Faith Again' をはじめ、最近では多くのリミックスを手掛けられていますが、今後リリースを予定している作品はありますか?

Osam M : リミックスをいくつかやっていますが、それより自分のレーベルを始める為の曲を Satoshi Fumi といくつか作ってます。出来ればアルバムを作りたいのですが、まだわかりません。でもレーベルは近日中に必ず始めるので、皆さん是非サポートお願いします。最初は hrfq.com でのデジタル配信になると思います。

HRFQ : 活動の場を移動することによって、私たちがこれからの Osamu M に期待出来ることは何でしょうか?

Osam M : 自分が今まで以上に「世界」という今までのフィールドよりも大きな所に飛び出す事によって Osamu M という DJ がイギリスを含む世界中でどのように評価されるのか、そしてその結果自分自身を客観的に知る事で Osamu M という DJ のあり方がより明確になると思います。また、自分を刺激してくれる多くの DJ やアーティストと身近に接し、感じ、コミュニケーションをとる事で、音楽へのモチベーション、スキルそして感覚が向上すると思っています。皆さんには、イギリスでの経験を積んでさらなる進化を遂げた Osamu M の DJ プレイを期待していて欲しいです。とその前に!8月11日、最後の Submerge は絶対に良いパーティーにするので、是非 Womb に遊びに来て下さいね!

End of the interview

Osamu M Promo Mix

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