HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

mymy


日本屈指のアナーキー・テクノ・レーベルのブランニュー・パーティー「WC」の第2弾に、 CocoonやPlayhouse等からののリリースで知られる、ベルリンのミニマル・ユニット"MyMy"の初来日Guest LIVEが遂に決定!! そのジャジーでメロウ、ダビーでディープな究極のミニマル・サウンドが評判のMyMy (Lee Jones & Nick Hoppner)に来日直前インタビューを試みた。

> Interview, Translation & Introduction by Seiji Hitomi (HITOMI Productions) with Salmon (WC recordings)

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WC : まず日本は初めて?

Nick : イエス!すごく興奮してるよ。

Lee : 僕も。信じられないくらいエキサイティングだよ!

WC : 日本や日本のクラブシーンについて何かイメージはある?

Nick : そうだな、まずヨーロッパとは全然違うと思う。人も沢山いて混雑していて、未来的な感じ。いまの自分の頭の中だけのイメージと、(日本に行ってから)現実を比べることを本当に楽しみにしているんだ。クラブとナイトライフについては、すごくいいサウンドシステムや照明などを備えた、とてもハイエンドなクラブが沢山あると聞いた事があるよ。あと日本のクラウドは特に熱狂的だとも。

WC : MyMyはメンバーがそれぞれ素晴らしいキャリアをもつスペシャルなユニットだけど、お互いに知り合ったキッカケは?

Nick : 僕たちは2003年に最初に会ったんだ。Leeがベルリンに引っ越してきてすぐのことだったと思うよ。共通の友人だったCarsten Klemannを介して知り合って、よく会う仲になった。

WC : どんな感じで一緒に制作をするようになったの?

Nick : たしか2004年の始めから一緒に制作を始めたんだ。Carstenと友人にはLeeと一緒にスタジオに入るアイデアがあって、Leeはその頃既にHefner名義でキャリアを積んでいたからね。僕は少し経ってから参加して、その後リリースに向けてユニットを組むことになったんだ。

WC : 制作する時はどんな形で作業を進めてるの?ファイルのやり取りや、誰かの家に集まってとかあると思うけど、君達のスタイルは?

Nick : 色んなケースがあるな。けど、基本的にネットを通して作業を進めることはない。常に会っている。ほとんどがLeeのところで。制作の進行に特に決まったルールはないんだ。例えば、一緒にジャムってみたりしている時に面白い感じになって曲に変わっていくこともあれば、別々にアイデアを出し合ってそれがひとつの曲に発展することもある。ケースはどうであれ、そこに"MyMy"のフィーリングを何か感じたら、一緒に制作を続ける感じ。

WC : PlayhouseやCocoon Recordingsからリリースした経緯は?

Nick : 以前"Dubplates & Mastering"で働いていた友人のCarstenがAlter EgoのJornと知り合いで、僕たちのことを彼に話してくれたんだ。それでJornからデモの依頼があって、一曲送った。そこからが物語の始まりで、すぐにCocoonから、毎年リリースされているコンピレーション用の楽曲依頼があったんだ。ちょうど彼らは例年よりさらに面白く新鮮なアーティストを何組かコンパイルしようと企画していたからね。

WC : アルバム「SONGS FOR THE GENTLE」(Playhouse)はコンセプチュアルなとても幻想的で美しい作品だったよね。何か制作におけるテーマはあったの?

Nick : いつものように制作していること以外に明確なコンセプトはなかったけど、そのアルバム・トラックのほとんどをLeeが作っているから、彼に聞いてもらえればより具体的なことが分かると思うよ。

Lee : そうだな、アルバムのトラックはダンスフロア用だけに作ったものではないんだ。CDは場所を選ばず色んなところで聴かれると思ったからね。最初、Nickと僕はビートとプロダクション・アイデアを出し合ったんだけど、なかなかホーム・リスニングに適したものが出てこなかった。それから僕たちはよりクリエイティヴに制作に取り組んで、6週間でなんとか双方 (フロア/ホーム)に適した6〜7曲を一緒に仕上げていったんだ。そんな風にMyMyワークスは出来上がっていく感じ。

WC : 君達は他にもAus Music、Circus Company、Ostgut Tontragerといった多くのレーベルからリリースしてるけど、どのレーベルにも違和感なくMyMyの音楽はハマるよね。これはそれぞれのレーベル (カラー)を意識して作っているの?

Nick : 基本的にCircus CompanyとOstgut Ton向けの音楽を制作している。Playhouse、Cocoon、Aus (からのリリース)は、トラックが出来てから決まった感じだから。

WC : 制作する時、どんな事をイメージしてトラックに落とし込んでる?

Nick : イメージというよりもコンセプトやアイデアといった感じかな。例えばOstgut Tonでは、とてもシンプルで温かくグルーヴィーな、といったアイデアがある。

Lee : 僕は曲を構成する時にはイメージがあるな。シネマティックな。エモーショナルな音楽を作っている時は、架空の映画のシーンを頭の中に描いて、そのバック・トラックになっているような曲をイメージするんだ。それはとても抽象的だけど、曲作りを助けてくれるよ。

WC : 音楽的なバックグラウンドを教えて。

Nick : テクノとハウスのDJを10年以上やっている。あと、ドイツのGroove Magazineの音楽ジャーナリストとして働いていたり、Morr Musicレーベルにも勤めていた。それで、今はOstgut Tonをマネジメントをしているよ。10代の頃は、インディ・ロック、US (ポスト)ハードコア、そしてヒップホップが好きだったな。17,18歳の頃はパンクロック・バンドのシャウターで、その頃の音楽趣向は本当にバラエティに富んでいたよ。

Lee : 学生時代はピアノを習っていたんだ。その後大学に入ってギターを覚えて、それからドラムとベース、けどすぐにダウンテンポにいって、それから作曲に流れていった。HEFNER名義では沢山のリミックス作品と1枚のアルバムをリリースしたよ。ベルリンに移り住む前は、AbrahamやJoseeへの楽曲提供やアルバム・プロデュースもしていた。ベルリンに来てから、ハウスやテクノの魅力に気付いたんだ。

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WC : どんな少年時代を過ごしたの?

Nick : いたって普通だよ、ドイツ北部の海辺の待ちで育った。夏にはビーチに行ったりしたけど、冬はいつも曇ってて厳しい気候だったな。

Lee : 僕たち (Nickと)は似た感じの世界で育ったように思う。僕はロンドン郊外の田舎の小さな街で育って、サウスエンドの大学に通い、老人と学生とジャンキーであふれた海辺の街で暮らしていた。

WC : その時の自分に今の君がメッセージを伝えるとしたら?

Nick : 何がしたくて何がしたくないのか、もっと早く覚悟を決めろ!本当にやりたいことを見つける (決心する)までに長過ぎる時間を費やしてしまったからね。。

Lee : ちゃんとした職を持て!

WC : 普段はメンバーで遊んだりするの?

Nick : そうだね、毎週のように一緒に制作をしたりツアーに出ていたりするけど、普段も会って食事に行ったり飲む仲だよ。

WC : ツアーでの楽しいエピソードはある?

Nick : Oh, ありすぎてかけない (笑)

WC : 今の自分達を取り巻く環境とダンスミュージック・シーンについてはどう思う?

Nick : 僕たちがクリエイトしていくことを助けてくれるファンタスティックで小さな世界だと思う。ただ、時に人は非現実的な世界に溺れることもあるから、リアルな世界とのバランスを保つことが大事だと思う。

Lee : ポジティヴな面では、とてもクリエイティヴでインテリジェントな世界だと思う。けどもう一方では、キッズのドラッグ問題なんかもあるね。

WC : 6/14 (土)@UNITのパーティでは、Raum...musikやKarmarougeからリリースしているSalmon、Poker FlatやDessousからリリースしているRyo Murakami、Perc TraxからリリースしているGonnoたち日本人DJ/アーティストが共演するけど、日本のトラックメーカーは誰か知ってる?

Nick : 日本人アーティストの名前までは分からないんだけど、レーベルでは"mule musiq", "mule electronic"を知ってるよ。その多様なアプローチが好きだね。

Lee : 僕はNickよりもアーティストやレーベルの名前を知らないなぁ。そんなにマニアックじゃないから、自分でかけるレコードの半分の名前も知らない位なんだよ。。ただ日本人では坂本龍一の映画音楽が大好きだね。

WC : MyMyの音楽は、将来、月に動物園が出来てその中にあるテーマパークにバッチリハマるようなアメージング・サウンドだと思うんだ。今後君達の音楽はどういう進化をしていくんだろう?

Nick : 将来的にMyMyのトラックは、よりダンスフロアやDJを重視した機能的な音へと少しシフトしていくと思う。というのは、自分達の曲を自分達のDJセットの中であまり使わないことに気付いたから、次の2ndアルバムを制作する時は、フロアユースでホームリスニングにも対応した曲を作るつもりだよ!

WC : 今後のリリース予定は?

Nick : 7月か8月にPlayhouseから12インチの新譜が出るよ。で、その次は秋に出ると思う。制作が計画通りに進めば、ソロ・リリースが11月にOstgut Tonからあるよ。そして、2009年前半のリリースに向けて、MyMyのニュー・アルバムを無事完成させるを願っている。

Lee : 9月にAusからソロ・アルバムをリリースする予定。同時にリリースする2EPにはStimmingによるリミックスも入ってるよ。ちょうど昨日聴いたんだけど、最高だった!

WC : 今回の東京UNITでのLIVEはどんな感じになりそう?

Nick : 僕たちはいつもLIVE用に新曲を用意していて、フロアでどんな感じになるか確かめているんだ。今回もたくさん新曲があるから期待していて!前のアルバムよりもさらに多くの曲を用意して日本に行くよ!

Lee : 実は先週自分のラップトップが盗まれちゃって、、しかも全てバックアップをとっていなかったんだ。。でも東京に来る前に、必ずAbletonにいいライヴ音源をセットアップしてくるよ!これは僕に課せられたいい試練だと思って、いま新しいアイデアをちょうど練っているところさ!

WC : 君達のサウンドを日本のオーディエンスが待ってます。最後に日本のファンにメッセージをお願い!

Nick : 僕たちも本当に楽しみにしているよ!これほど楽しみなツアーは今までなかったくらいだ。日本に招かれることがとても嬉しくて、僕たちの人生においてもすごく有意義な経験になると信じてるよ。

Lee : 確かに!MyMyの音楽が僕たちをこんなアメージングな場所 (日本)に連れて行ってくれることをとても幸運に感じている。一昨日、東京モードになるために、映画「Lost in Translation」を観なおしたんだ。映画の中に出てくるような“カラオケ”に行きたい!(笑)

End of the interview


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