90年代前半から、アンダーグラウンドFM局でのラジオ番組 "Girls FM"などを通してDJ活動を続け、「信頼のおけるアーティスト」として一定の評価を得ている Miss Jools。Luciano, Damian Lazarus, Phonique, M.A.N.D.Y.等から多くのサポートを受けているSleeper Thiefの一員としても活躍する彼女は、これまでの経歴を通して多くのテクノアーティストに影響を与えたと言っても過言では無い。
昨年夏、活動拠点をロンドンからベルリンに移し、自身の名義でのリリースも Anja Schnaider のレーベル・Mobilee から発表。DJ経験を反映したトラックメイカーとしても活動を始めた彼女が、夏のはじまりに相応しい新進野外パーティー Bird's Eye View の招聘により来日が決定。ツアーも予定されている今回の来日を前に、人柄がうかがえるインタビューをお送りする。
Interview & Translation : GrassHopperMuzic.LLC
Introduction : Yuki Murai (HigherFrequency)
-- あなたが最も「ハイ」を感じた初めての音楽的経験はいつですか? そしてどのように感じて、どのように反応しましたか?
Julia Porter (Miss Jools) : 私はDJとして、そして情熱と愛情を注げる何かの為に、生きている事をとても感謝しています。また大変名誉な事だとも感じています。
長年、世界中を旅して、素晴らしいクラブでプレイをして、多くの素晴らしい経験をしています。
多くの経験の中でも、1994年、自分の初めてのギグの事は忘れられません。ものすごく緊張しました。でも、本当に素晴らしい夜で、今でもあの夜の事を忘れられません。
Mixをするのにとても緊張しましたが、友達が全員DJブースの周りに集まって、私をサポートしてくれて、うまく出来ました。
その夜が成功して、私は初めてのDJとしての経験を通して、DJが、こんな夜が、私の生き方だと知ったのです。
-- DJをはじめたきっかけを教えて下さい。当時のお気に入りのDJ、アーティストは? 様々なジャンルの音楽が有る中で、現在のスタイルになったのはなぜですか?
J.P : 90年代初頭、イギリスのサウス・ウェストで写真の勉強をしていました。この頃、ダンスミュージックシーンに没頭する様になりました。毎週末かかさず友達とクラブに行き、パーティの為に何百マイルも旅をしました。
この頃刺激を受けたアーティストは、Frankie Knuckles と Tony Humphries の二人。
ロンドンに住んでいた友達が何本かMixテープを送ってくれてよく聞きました。DJとしてのキャリアをスタートさせた当初、それに今でもソウルフルなディープハウスに感銘を受け続けています。
DJとしてテクノをかけ始めたのは、随分後になってからです。
私はとてもオープンマインドなタイプで、自分がプレイする音楽のスタイルをカテゴリー分け、ジャンル分けするのは好きではありません。良いグルーヴと深みがあれば、ディープ・ハウス、テクノ、テック・ハウス、ミニマル、なんでも私はプレイします。
地元で友人達と小さなアンダーグラウンドパーティを企画して、毎回、誰かの家でアフターアワーズも開催しました。そこで私は何時間も何時間も友達のMixする様子を夢中になって見て、完全に魅せられました。自分でレコードをプレイして、どうやってMixするのか知りたくなったのは自然な流れでした。初めてビートをMixしたとき、完全に夢中になりました。
-- イギリスでラジオ番組を担当していたと聞きましたが、ラジオ番組をする上で大切なことはなんですか?
J.P : 2週間に1回のラジオ番組を担当できたのは本当に幸運な事でした。
1994年にDJに集中するためにロンドンに引っ越しました。1年後の1995年、ロンドンのアンダーグラウンドシーンで人気の高い DJ Kenny Hawkes と出会いました。彼がラジオ番組を担当をしていたんです。彼にMixテープを
用意してくれないかと聞かれて、その数週間後には、私は自分のラジオ番組を担当する事になったのです。
とてもスペシャルな時間で、素晴らしい経験をさせてもらいました。音楽的にも技術的にも、驚く程学ぶ事が出来る環境でした。
1年しかDJとしての経験がなく、地元やロンドンのバーでしかDJした事がなかった私が、ラジオ番組ではかけたいものを自由にかけ、自信も付き、ロンドンでDJとして露出もする事も出来ました。それが多くのクラブやパーティでプレイする事に繋がっていきました。音楽的には私はとても自由な感覚を持っています。ラジオ番組ではディープでソウルフルな楽曲や、アンビエントを最初にかけて、徐々にダンスフロアートラックへとつなげていきました。
番組の内容はその日の気分や、かけたい楽曲次第で変わります。Herbert, Chez Damier, Ron Trent, Moodymann, Kerri Chandler など。番組中、好きな楽曲が流れているとリスナーからの電話がスタジオにかかってきて話す事が出来た環境も素晴らしかったです。リスナーからの生の声を聞く事が出来るという相互作用可能な環境はとてもクールでした。
-- プロのミュージシャンとしての初めてハイを感じたのはいつですか?
J.P : プロとしての初めてのハイな経験というとすごく昔の話ですし、素晴らしい経験は何年も経験してきています。難しい質問ですね。
ただラジオ番組をやっていた数年間というのは、私のDJキャリアの中でも特別なものでした。
当時の自分自身の事をプロだと思っていませんでしたが、その経験があって、多くのロンドンのクラブやパーティ、
また国外でのDJにも繋がっていきました。
-- リリースの予定を教えてくれますか?
J.P : ドイツの Tanzbar Music レーベルのリミックスをちょうど終えた所で、先日リリースされました。 昨年プロデュースしたフランスのレーベル Catwash から 'Pixie On The Run' (EP) が近々リリースの予定です。 また現在、Mobilee 用にいくつかプロデュースもしていて、今年中にリリース出来れば良いと思っています。
-- 楽曲プロデュースを行うとき、Sleeper Thief と Miss Jools という名義を 区別して考えていますか?
J.P : 実は、最初にスタジオワークを始めたのが、2006年 Audiofly との共同制作だったんです。
1年前からソロプロジェクトを始めましたが、まだ自身での楽曲プロデュースは行っていません。
Sleeper Thief としては、3人のアイデアや希望を出し合って共同制作をします。
これが Sleeper Thief のサウンドを特別なものに仕上げるんです。3人のアーティストのマインドと異なった音楽背景、これをブレンドして出来上がるのが Sleeper Thief なんです。
この短い期間の中で私たちが作り上げたものをとても誇りに思っています。
ここ最近はDJのスケジュールが埋まっていて、またソロプロジェクトを始めた事もあって、
なかなかスタジオに入れていませんが、また制作を始めてリリースしたいと思っています。
-- 楽曲制作にあたって、最も大切に思っている事はなんですか?
J.P : スタジオに入ったのはここ数年で、まだまだプロデューサーとして学ぶべき事がたくさんあります。
そしてゆっくりではありますが、自分自身のサウンドを発展させている最中です。
プロデュースする事に関しては、学ぶべき事がとても多いのですが、とても満足しています。
新しいトラックを作り始めるとき、自分らしさを楽曲の中で表現出来るように、また自分自身がプレイする事を想定して、また踊りたくなる様な音をイメージして作ります。
最も大切な事は、自分自身のスタイルを表現する事と自分の心が現れている事だと思います。
自分の制作した楽曲でダンスフロアーが反応してくれるのが見られたらそれだけで美しい気持ちになるものです。
-- 日本のオーディエンスへメッセージをお願いいたします。
J.P : 日本は私が最も滞在したい国、DJをしたい国の一つです。今回日本でプレイ出来る事、日本のオーディエンスと出会える事をとても嬉しく、エキサイトしています。
というのも日本のオーディエンスの素晴らしさと、パーティの素晴らしさを様々なアーティストから聞いているんです。
それにお寿司が大好きです。本当に!
日本に行く事が出来てとても幸せです!もうすぐ皆さんとお会い出来ますね!
End of the interview
Bird's Eye View 2009
2009年7月25日- 26日 (Sat- Sun) @ 静岡市 リバウェル井川スキー場
DOOR : Y 7,000 _ ADV : Y 5,000 (7/24まで販売) → 前売りチケットのご購入はこちら
【Owl Stage】
LINEUP :
Miss Jools (Mobilee Records)
Heinrichs & Hirtenfellner (Highgrade-Records)
DJ Sodeyama (Archipel, NO:MORE REC)
Loud One (Cross Gate)
DJ Pi-ge (Organza, Tres Vibes, Pan Records)
Naka-G (Friskyradio, Pangea, Epsilon, Saw@Air, Reveal)
Jin Ryugo
Matsunami (Tri-Bute, Funkanoid Sessions)
Diskoman (Digitalblack)
Sho-Hey+Joy (Octagon, KBJ)
Shinya Okamoto (Reveal, Dial, Foureal Records)
Yuyama Tsuyoshi (Reveal, Optima)
Tsubasa (Re:plicante, Essence)
Yoshihiro Tsutsumi (Precious, Grasshopper Muzic, Birds Eye View)
Cakra (天竺, Elek Tribe)
Hiroya Inako (Precious, Grasshopper Muzic, Birds Eye View)
VJ : Yashio Yonekura (Octagon, Reveal)
DANCER : Digi Sayo (Liven)
【Shoebill Stage】
LINEUP :
DJ Yoshio (In The Mix, UGP)
Setsuna (Mixjuice, Vice Versa, Kil)
Yu (Mixjuice, Vice Versa, Kil, Famfatal)
REijiRO (Cube)
Iori (Pure, Blafma)
Yasu (Microsurf)
Suganuma (Freebase, Microsurf)
Kitajima (Night Rider)
kako (Night Rider, F.C, Mind scope)
Polyphonique (GrassHopperMuzic, solid-music, Bird's Eye View)
Digital Sato (Psycotro Beatl, Psybeat)
Katsu (Jakata)
heidi (Night Rider, GrassHopperMuzic, solid-music, Bird's Eye View)
VJ : VJ Cluster
[名古屋公演] Clip 〜Miss Jools JAPAN TOUR 2009'〜
2009年7月24日 (Fri) @ CLUB COLORS (Nagoya, Aichi)
DOOR : Y 3,000 _ ADV : Y 2,500 _ W/F : Y 2,500
DJ :
Miss Jools (Mobilee Records)
Yoshihiro Tsutsumi (Precious, Grasshopper Muzic, Birds Eye View)
Hiroya Inako (Precious, Grasshopper Muzic, Birds Eye View)
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特集 : Bird's Eye View 2009 Special (2009/07/26)
ニュース : iPhone アプリ「Mobilee Touch Mix」× WASABEAT (2009/06/08)
関連リンク
Miss Jools Website
Mobilee Records Website
Bird's Eye View Website