今世界的にも最も注目されているといっても過言ではない、ベルリンの最重要レーベル `Get Physical Music` のレーベル5周年を記念した `5Years Anniversary` が、12/28(金)に代官山UNITにて開催される。それにあわせ看板アーティスト `M.A.N.D.Y.` にインタビューを敢行したのでお届けしたい。
Interview & Translation : Kojiro Ota
Q : レーベル5周年おめでとうございます。今年、5周年を記念した Anniversary Tour が行われたようですが、いかがでしたか?
M.A.N.D.Y. : ありがとう。今年は沢山の人からのポジティブなフィードバックを感じられたよ。ツアーはそのポジティブなエナジーを返すとても良い機会だったよ。
Q : `get physical ` というレーベルを始めたきっかけを教えて下さい。
M.A.N.D.Y. : 僕らと Booka Shade は20年以上前からの友達で、みんな昔から色んな方向で音楽の仕事に関わってきたんだ。ある時、 DJ T にレーベルを立ち上げる話をしたら、彼はさっそく話に乗っかってきて、ドイツで最も重要なダンスミュージックマガジン ”Groove” の創設者とエディターだった彼は、その10年間の経験やコネクションを持ってきてくれたんだ。そして全てのパズルが当てはまり、僕らは夢が叶う準備ができたと実感した。次の日僕は給料の良いウェブデザインの仕事を辞めた。でもレーベルでお金をかせぐなんて絵空事で、現実は厳しかったよ。2年間まったく寝ない日々が続き、家も無いような状況だったからね。
Q : これまでに様々な賞を受賞されていますね。 `get physical` がプロデュースする作品はとても独特で、興味深い物があります。次々と発表されるリリースの速度にも常に驚かされています。レーベルの運営体制やコンセプトなど詳しく教えて頂けますか?
M.A.N.D.Y. : 物事の幸運が訪れるのはとても自然な流れだよね。 僕らはフレンドシップによる文化を信じていて、それがレーベルを始めるときのメインのアイデアだったんだ。子供っぽいけど、一日中なにもしないで友達と過ごし、みんな音楽が好きで、音楽がみんなの関係を保っている様な環境を夢見ていたんだ。 僕らのレーベルは利益をベースとしたシステムで運営されているわけでは無く、A&Rはとてもフリーにやっているよ。僕らは個人的な音楽的趣向を追いかけているだけだからね。商業的な妥協はない。 ただあるところからレーベルがとても盛り上がってしまったので、人を雇い始め、法的な部分だったり、仕事の流れをきちんと整えて、会社として立ち上げることになった。今では僕らを含め13人の人が毎日働いているよ。みんな音楽への情熱とフレンドシップで働いているんだ。
Q : 楽曲制作をする際は何を中心に、どんな感覚を表現して作っているのですか?`M.A.N.D.Y.` というプロジェクトについて教えて下さい。
M.A.N.D.Y. : `M.A.N.D.Y.` のコンセプトは `Get Physical` と同じさ。音楽とフレンドシップ、そしてグッドライフ。僕らは感情を取り交わすのが好きなんだ。バンドと一緒だよ。
Q : 音楽的なバックグラウンドを聞かせてください。
M.A.N.D.Y. : 僕らは普通のロックやヘビメタを聞いて育ったよ。 Siouxie. The Bangies, Joy Division, Sisters of Merci, Bauhaus, The Doors などが好きだったね。それに父親が聞いていたいわゆるウッドストックに関連するような音楽も大好きだよ。例えば Janis Jopplin なんかは大好きだね。あと僕らが最初に行っていたディスコでは Prince や Kraftwerk, Innercity それにシカゴハウスやディスコ、それに The Cult のようなパンクなんかもかかっていて、様々な音楽やスタイルを楽しめるところがそこの魅力だったね。いつも興味深くて、エンターテイニングだったよ。
Q : ところで `M.A.N.D.Y.` とはどういう意味なんでしょう?
M.A.N.D.Y. : なんでもないよ、飲んでいるときに自然に思いついた名前なんだ。僕らは `DJ Philipp and Patrick` とは呼ばれたくなかった。ハム&チーズみたいだからね(笑) それに写真に顔を出したりするのもあまり好きじゃなかったんだ。なにか模造のキャラクターになれないかと思って、非既存の女の子 `MANDY` を作ったんだ。名前の意味は特にないよ。でもある時、誰かがステージに上がってきて、「あなたの名前は `Me And You` って意味ですか?」って聞かれたときは「そうだよ!」って答えたけどね。
Q : 常に世界中を飛び回ってプレイしていると思いますが、いつ楽曲制作を行っているのですか?滞在先で作ることもあるのでしょうか?
M.A.N.D.Y. : 正直な話、ここ2年間はあまり楽曲制作をしていないんだ。ここ数年はスタジオから抜け出して世界中を回るのをエンジョイしているよ。
Q : `get physical` はベルリンのシーンをリードしているレーベルの一つとして世界的に知られています。現在のベルリンのシーンについて教えて下さい。
M.A.N.D.Y. : 他の都市と比べるとベルリンは時間に関係ない漠然とした場所な気がするよ。人や法律もゆるいし、 `whatever ? 何でも` が考え方だからね。なんでも手に入って安いから、とても住みやすいよ。毎日スーツを着て朝から晩まで働く人も少ないしね。 Mad Max みたいなもんさ。ほとんどの人は真面目に働いていなくて、アーティストとして生活していたり、イージーな生活を送っている。変な競争も無いし、独立した民主主義の場所って感じだね。
Q : ここ数年盛り上がっているこの Minimal/Tech House/Electro House についてですが。ただの新しいジャンルのダンスミュージックというよりは、 Techno、House、 Trance や Jazz、Rock、Latin など様々な音楽が融合しているように見えるのですが、今後はどのように展開していくと思いますか?
M.A.N.D.Y. : この音楽は常に Techno と House がベースにあると思うんだ。そして classic やjazz、 rock、hip hop などが混ざってきている。とても良いことだと思うよ。メインコンセプトのリズムとサウンドはとても調和されていて、とてもオープンでバラエティーに富んだ音楽になってきているね。これはただの流行りごとではないからね。
Q : もちろん日本でもこのシーンは今、どんどん盛り上がってきています。今回の `get physical 5 Years Anniversary` を楽しみにしている日本のファンへメッセージをお願いします。
M.A.N.D.Y. : タバコとヴォッカを持ってきてもらえますか?
Q : 今後の展望、活動予定について教えてください。
M.A.N.D.Y. : 僕らは物事の流れを信頼している。そして流れにそって実行していくつもりだよ。
End of the interview
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