HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

聖地デトロイトにて音楽一家のもとに生まれ、従兄弟や The Wizard のラジオショーを通して ごく自然に音楽の世界へ身を投じた Malik Pittman。ヒップホップのトラックメイカーとしての 活動から、当地の大御所 Rick Wilhite、Kenny Dixon Jr、Theo Parrish らのユニット・3Chairs の 4番目のメンバーに抜擢。さらには T.O.M Project (Theo Parrish、Omar -S、Malik Pittman) の "M" と しても活躍し、デトロイトに流れる潮流を真っ向から受け継ぐアーティストの一人だ。

2006年に設立した自身のレーベル・Unirhythm も好調、独自の世界をマイペースに展開する Malik Pittman に、来日ギグを間近に控えてのインタビューを行った。

Interview : Klass
Introduction : HigherFrequency


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-- こんにちは。今回はよろしくお願いします。

M.P (Malik Pittman) : こちらこそよろしく。今から日本に行くのが楽しみだよ。インタビューもどうもありがとう。

-- 僕らも楽しみだよ。何から聞こうかな、。うーん、じゃあまず、これまで音楽遍歴は?

M.P : ありがとう。僕が音楽をやるようになったのは家族の影響が大きいね。僕の父親はベースプレイヤーで、祖父はドラムとピアノの演奏家だった。だから音楽をするようになったのは僕にとってとても自然なことだったんだ。

-- クラブミュージックに傾倒していくきっかけは?

M.P : クラブカルチャーに本格的に参加するようになったのは、クラブに入れるような年齢になってから。初めてのクラブ体験は、1992年、Stanley's Cafe にある Maurice Malone function でのことだったね。僕の父の周りにはきれいな女の人が集まっていて、今でも僕がクラブに行こうとする理由の一つにそれがあるね(笑)

-- 影響を受けたアーティストはいる?

M.P : 叔父のジャズ演奏を聴きに母親と僕と、僕の兄を南部に連れて行く機会が多くて、色々聴いてきたなあ。その頃僕は9歳だったんだけど、彼等は僕がいくつかの曲をすでに知っていて驚いたみたいだったね。本当にいろいろな音楽をそこで聴いたけど、特に僕のハートをキャッチしたのは Herbie Hancock、Grover Washington、父を通して聞いた Lou Rawls、The Temptations、The Trammps そして The Whispers だったね。あとは 52nd Street、Phyllis Hyman そして僕の敬愛するグループの一つ、Loose Ends かな。DJもするようになって、遊び方は新しい音楽を知る度にどんどん変わっていったね。ダンスミュージックについて言えば、影響を受けたのは3chairs、Ron Trent、Juan Atkins、DJ Premier、Erick Sermon そして Jay Dee だね。

-- 楽曲はいつからつくっているの?

M.P : 僕の初めての作曲は、Javant の小さな部屋で始まったんだよね。彼は Malik Alston と一緒にスタジオを経営していて、僕に機材に慣れるようトラック制作を教えてくれて、僕もそれに倣ったんだ。制作は MPC 1000 を使っているよ。

-- あなたのトラックはいつもフックが効いているよね。シンセにしろリズムパターンにしろ。制作する上で意識してる事はある?

M.P : 自分に正直になることかな〜。あとはその瞬間のフィーリングを大事にすることかな。いたってシンプルだけど。

-- KDJ や Theo Parrish, Rick Wilhite とのユニット '3Chairs' へ参加するまでの経緯は?

M.P : 運命だったと僕は思うよ。一緒に遊んでいた時、僕は次の曲はいつ出るのさと聞いたんだ。彼らは「わからないけれど、次の曲、お前も何かしてみない?」と言われてね。僕はすぐにイエスと答えたね(笑)もう10年以上も前のことだ。今もちょうどメンバーみんなで一緒にいたところだったんだ。

-- 一緒に曲を作る時はどうしてるの?

M.P : 厳密に言うとみんなで一緒に作曲作業をしているわけじゃないんだよ。それぞれの作業をしているね。 みんな忙しくなければ揃ってやるし、平たく言えば分担してる部分もある、って感じかな。さっきも話したように付き合いが長いからね。

-- メンバーそれぞれが異なったヴァイブスを持っているというイメージがあるけど、やっぱり刺激を受けたりする?

M.P : そうだね。初めてDJをしたときから、彼らとはずっと一緒にいるし、彼らはまるで僕が末っ子の弟であるように接するんだよ。そこにはいつも愛があるんだ。もちろん若さ故にいじられるようなこともあるけどね(笑) 全然別のいい方をすると、僕はルーキーとして期待されているんじゃないかと思う。そうだな、刺激というより、僕らはいつも互いに愛を持って接している。それが '3Chairs' の美しさなんだ。

-- 素晴らしい関係だね。ちなみに今後のリリース予定は?

M.P : えーと、ついこの間、今まさにプレス中のホワイトラベル盤が僕のところに届いたんだ。DEMF の前までにはリリースするよ。今年中に Unirhythm から何枚かリリースする予定だよ。つい最近まで制作していたのはInternational Feel というレーベルから頼まれたリミックスだね。それもDEMFの前までにはリリースされるはずだよ。他にも FIT records からも作品を出すよ。それとアルバムもゆくゆくは出したいなと思ってる。まだ先の話だけれど、多分来年中くらいには出せると思う。

-- あなた自身のレーベル Unirhythm は今のところあなたのリリースのみだよね?今後もそういう方針なのかな?

M.P : いや、そういうわけではなくて、他の人の作品もリリースしようとは思っているよ。僕の作品のショウケースにすることがレーベルの目的ではないしね。それと、一つの音楽のジャンルにこだわったリリースはしたくないんだ。レーベル名の "Unirhythm" は、"universe" と "rhythm" を併せた造語なんだけれど、そこにはそういった意味が込められてるんだ。だから今は僕の作品だけしかリリースしていないけれど、他にも素晴らしい音楽を作るアーティストが加わってくると思うよ。

-- それは楽しみだね。別のレーベルだと Omar-S 主宰の FXHE からも何枚か作品をリリースしているよね。

M.P : 彼が僕に "俺のところから EP を出さないか?" と話があって出すことになったんだ。曲の出来は良いもので納得いくものだったし、それで僕らはいくつかのリリースを共にすることになったんだよね。FXHE は素晴らしいレーベルだと思ったしね。

-- それと最近はデトロイトやシカゴなどの懐かしめのハウス・スタイルが再注目されているね。

M.P : イエー、僕もそう思うよ。ヨーロッパや他の国からリリースされているレコードを聴いてみるとよ〜くわかるね。ミッドウェストは現在のダンスミュージックの作られ方に大きな影響を持ってるなと思っている。

-- やっぱりそうなんだ。

M.P : あ、それと住んでいる国が違うとジャンルやシーンの話になるけど、個人的な意見として、音楽(シーン)そのものが変わった事なんてないし、誰も変えたいだなんて思ってないんじゃないかな。こっちはそういう考えの人が多いんじゃないかと思うよ。

-- 確かにそうかもしれないね。デトロイトでは音楽以外何して過ごしてるの?

M.P : 普段ねえ、。えーと、祖母がいっつも僕に自分自身のことをしっかり考えろって言うんだよ。だから僕は長生きしたいなと思ってるよ(笑) だからあんまり頻繁にクラブに行ったりはしないんだけど、行くとしたら大体 Pulse Lounge や Casinos かな。最近だと友達が薦めてくれた他のところに足を運ぶことで、刺激を受ける、楽しむって事もあるかな。

-- 何度か来日してるけど、日本は好き?

M.P : 日本は大好きだよ。何度も行っているけど特に東京と大阪は面白いかな。日本から帰る時は、いつも曲作りのインスピレーションが湧くんだよね。日本は僕にとって居心地のいいところだとはっきり言えるね。

-- それは嬉しいね。曲の話に戻るけど、思い入れのあるトラックは?あと印象に残っているパーティとか。

M.P : Erykah Badu の新曲 'Window Seat'!あれは素晴らしかったね。それと UK の Floating Points の曲、最近は Kyle Hall のトラックも凄くいいね。実は僕の住んでいる地域、新しいエレクトロニックミュージックが置いてあるようなレコードショップがなくて、そういうのはあんまり聴けてないんだよね。パーティはひと月くらい前にデトロイトの Pulse Lounge かな。DJ Traxx もいて、4、5年振りの再会だったんだけど、とても良いパーティだったよ。Roy Davis Jr も今年の初めくらいに来てクラバーをノックアウトしていったよ(笑)

-- どうもありがとう。最後に、日本のファンへメッセージを!

M.P : 日本のみんな、僕を迎える準備はいいかな?僕は今からパーティが待ちきれないよ! あ、それとレコードショップ、ディグしまくるから良いレコードを用意して待っててね〜!Peace.

End of the interview




[ Manik Pittman Japan Tour Info ]

Klass -1st Anniversary-
DATE : 4月9日(金)
VENUE : Module
COST : Y3,000 (1d) _ ADV : Y2,500 (1d)

GUEST : Malik Pittman aka Marcellus Pittman (Unirhythm / 3Chairs, T.O.M Project / from Detroit)

[B2]
Naoki Shinohara (Klass)
Satoshi Tachibana (Klass, Ondosa)
Ko Umehara (Klass, -kikyu-, PULSE)
Hiromitsu & Taichi

[B1]
Kez YM (YORE, 4Lux, :::Release:::)
RANUMA (Klass, PULSE)
YASU (ERR)
Mikito Ota
KITAJIMA (NIGHT RIDER)

FOOD:
KANATA

[Ticket Info]
diskunion 渋谷CLUB MUSIC SHOP / 新宿CLUB MUSIC SHOP / お茶の水CLUB MUSIC SHOP TECHNIQUE / JAZZY SPORT / Lighthouse Records / Guinness Records



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