クラブ・シーンに関わるニュースやゴシップ・ネタ、そしてアーティストの発言録などを毎週全世界に向けて発信するイギリス出身のジャーナリスト Jonty Skrufff。HigherFrequency にも昨年11月からニュースとインタビューを提供し、そのシニカルでありながらツボを押さえた記事内容が読者の間でも人気を誇っているが、実は彼がDJとしても目下ロンドンで売出し中の存在であるということは、ここ日本ではほとんど知られていない事実だろう。
現在、ロンドンのクラブ 333 で月一度のレギュラー・パーティーを持ち、5月からは新たに Happy Jaxx で Kosmetic Surgeryというエレクトロ・ハウスのパーティーを立ち上げたばかりの Jonty は、最近ではブラジルのサン・パウロ、ベルリン、パリ、クロアチアなどでもプレイ。次第にその活動範囲を世界レベルへと広げつつあり、ジャーナリストとしてだけでなく、DJとしてのキャリアも着実に築きつつあるようだ。
いつもはアーティストにインタビューをする側の Jonty であるが、今回は逆に彼が メディアからのインタビューを受ける側に…。ただ、そのシニカルな受け答えにあまりにヒネリが利きすぎて、一体どれが本当の話なのかイマイチ分からなくなっているところが、いかにも彼らしいところと言えるだろう。果たして、その実像とは??… 彼がレギュラーでミックスを提供している Ministry Of Sound のラジオ・ショーの音源と合わせてお楽しみに頂きたい。
> Interview : Ibiza-Voice _ Translation : H.Nakamura (HigherFrequency) _ Introduction : H.Nakamura (HigherFrequency)
Ibiza-Voice : 何かきっかけでDJになろうと思ったんですか?
Jonty Skrufff : それについては、Roger Sanchez に感謝しなくちゃいけないだろうな。実際に、僕の気持ちに火を付けたのは、セルビアで行われた去年の Exit フェスティバルの楽屋での彼の尊大なふるまいだったんだから。多分、彼はギグの直前でリラックスしたかったんだろう…。バー・エリアに集まっていた人をたちまち追っ払ってしまって、僕自身も VIP エリアから手荒く追い出されてしまったんだ。で、思ったのさ。「オレはひょっとしたら間違ったゲームをしているのかもしれない」ってね。確かにオレたちジャーナリストは、下品な噂や悪意に満ちた嘘をでっちあげて楽しむことだって出来るのかもしれない。でも、DJと同じスリルがあるかと言えばそれほどでもない。で、その7日後には、Edenでプレイしている Judge Jules の DJ ブースにたむろして、端正な顔をしたフレンドリーなスペイン人モデルに囲まれて、我を忘れていたってわけさ。
Ibiza Voice : それって本当ですか?
Skrufff : そんなようなものさ。でも、運命のいたずらとでも言うべきか、その3週間後、全く唐突に Mark Moore と Alex Silverfish、それにクラブ Golf Sale プロモーターたちから、DJのオファーを受けることになったんだ。これは面白くなるぞと思ったね。
Ibiza-Voice : どんな楽しみを期待していますか?
Jonty : やっぱり「端正な顔をしたフレンドリーなスペイン人モデル」って感じかな。ただ、僕はブラジル人もイタリア人もフランス人もセルビア人にも憧れるし、リストはまだまだ続くって感じさ。僕は熱血漢なんだ。
Ibiza-Voice : 今までに成功したことは?
Jonty : 残念ながら今まで一度もないよ。僕は「ブースの後ろに立てば誰だって人気が出るはずだ」と固く信じてやまない人間なんだけど、どうやら僕だけは例外らしく、その信念もまさに木っ端みじんといった感じさ。まぁ、客をガツンと言わせるというよりは、どちらかと言うと今まで怒らせた Skrufff の読者にガツンと殴られるって感じだからね。でも、楽観的に考えているよ。
Ibiza-Voice: 今いくつなんですか?
Jonty : 君の思うがままの年齢さ。その質問には、72歳になってもホット・パンツをはく権利を主張するオノ・ヨーコの言葉を以ってお答えしよう。「洋服を楽しむのが好きなの。何か悪い?」…。ただ、僕が72歳以下であることだけは確かだよ。
Ibiza-Voice : あなたもホットパンツをはいているんですか?
Jonty : いや、今じゃさすがにはいていないよ。あとカツラやレザーのミニスカートも過去のものさ。ただ、正直に告白すると、アイライナーをつけるってことに関してだけは相変らずハマっているんだ。Dave Clarke や James Holden、それに Danny Howells といった連中が出来るんだから、僕だってやってもいいでしょ。あと、アイラインをスムーズに見せるためにはファンデーションも欠かせないね…。とにかく、DJはもっとお洒落であるべきだよ。自分たちが努力をしないで、どうしてお客にそれを期待できるって言うんだい?… あと、メトロセクシャルな音楽を回すのも好きかな。
Ibiza-Voice : メトロ・セクシャルって一体全体…??
Jonty : メトロ・セクシャルっていうのは、ハイ・エナジーでロックっぽい感じのダンス・ミュージックで、今でも卓絶した魅力を持つハイ・エナジー・クラシックを生み出した Evelyn Thomas から、Larry Tee の"Supoemodel"、そして Kylie Minogue の Whitey リミックスまでカバーするもの。とにかく飛び跳ねてるトラックならオーケーって感じさ。実際、僕自身も最近 Village People の "In The Navy"のエクステンド・ミックスを完成させたばかりなんだ。今のところ適当なタイミングがなくて、プレイできていないんだけどね。
Ibiza-Voice: これからの予定は?
Jonty : 究極のゴールは神より大きな存在になることかな。まぁ、どうしてもって言うんであれば、「ビートルズより大きな存在」ってところで手を打ってもいいけどね。近い将来で言うと、ベルリンとサン・パウロで再びプレイできること、あと、ロンドンのいろんな場所でプレイできることが楽しみ。あと、イビサでもプレイしてみたいね。メトロセクシャルでハイエナジーなロック系エレクトロ・ディスコを探している人はいませんか?私がそうですよ。
End of the interview
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