今やアンダーグラウンドミュージックシーンにとってなくてはならないレーベル「Spiritual life Records」の主宰者でありFrancois K、Danny Krivitと共に開催していたサンデーアフタヌーンパーティー"Body&SOUL"のDJとしても有名なJoe Claussell。2004年秋からNYにて開催される彼の初ソロ・レジデンシーパーティー"Sacred Rhythm"を記念して東京は西麻布Space Lab Yellowにてセレブレーション・イベントを開催。多くのファンが駆けつけた中、今回もメッセージ性の高いJoeワールドを我々に披露してくれた。
音楽によるヒーリングのメッセージを届け、クリエイティブで独自性のある音楽を絶やさない様に努める神の代弁者のような存在である彼にHigher Frequencyがインタビューを行い話題のパーティー"Sacred Rhythm"や気になる制作活動についての話を聞いた。
> Interview & Translation : Eri Nishikami _ Introduction : Masashi Kitagawa (HigherFrequency)
HigherFrequency : 今回のツアーはいかがでしたか?
Joe claussell : 日本には毎年ツアーで来るけど今回も本当に良かったよ。日本でプレイするのは大好きなんだよね
HRFQ : 日本のクラブシーンについてどう思われますか?変わったと思うことはありますか?
Joe : 日本には1993年から来てるけど変わったのかな。日本人の音楽好きは今も昔も変わらないと思うし、いつ来ても日本人は皆、本当に音楽に対して情熱的だと感じるけどね。
HRFQ : NYでSacred Rhythmという新しいパーティーを始めると聞きましたがどこで行うんですか?
Joe : LOVEっていう新しいクラブで毎週日曜日にやる予定なんだけど、まだはっきり何日って決まったわけじゃないんだ。ただ11月から始める予定だよ。工事もほぼ99パーセント終わってるしね。
HRFQ : 大きなクラブなんですか?
Joe : いや、こじんまりしたクラブで、フロア300人、最高で4〜500人くらいかな。 11月の2週目くらいから始められたらとは思ってるんだけどね
HRFQ : 意外なことに、初めて一人でやるレジデント・パーティーとお聞きしましたが、どういったパーティーにしようと思っていますか?たとえばBody & Soulとはどこが違うんでしょうか?
Joe : まず、音楽自体がかなり違ったものになるはずだよ。Sacred Rhythmは僕にとって音楽というもの全てを表現する場だから、僕がその日クラシックな気分だとすると、みんなもきっとクラシックを聴くことになる…そんな感じのイベントなんだ。Body & Soulは他のDJとのコラボレーションだったけど、Sacred Rhythmはあくまで僕自身を表現する場。今までどこでもやったことのないプレイになる可能性だってある。だってNYは僕のホームで、このパーティー自体が僕のコンセプトだからね。 日本でもどこでもそうだけど、このDJはこうだって勝手に思い込んでるところがあるでしょ。たとえばみんなハウスミュージックが僕のバックグラウンドだと思っていたりする。でも、僕の音楽はもっといろんな面を持っていて、もちろんロックだって聞く。だから、たとえば日本にプレイしに来ると、プロモーションのおかげでみんな僕はハウスをプレイすると思って集まって来るんだけど、でもそれって結局は聞く方が勝手に決めてかかってるだけだと思うんだ。Sacred Rhythm はJoe Claussellで、だから違ったものになる。Joe Claussellってだれかって?Joeはアフリカンだしクラシックだし、ロックだしハウスミュージックでもある。今までとはちがったJoe Claussellだし、これがホントのJoe Claussellだといえるかもね。
HRFQ : 最近の活動についてお聞かせください
Joe : DJで世界中をまわっていて、これからイタリアに2週間ほど行く。他にはLouie VegaのElements of Life Extensionsのアルバムの曲を終わらせたところだよ。Let the Children PlayはLouieと一緒に制作したし、ExtensionsにはSunshineのリミックスをやったんだ。あと、自分のアルバムももうすぐ完成で、Cosmic Ritualってタイトルで2005年にリリース予定になってるんだけど、世界中の宗教と音楽っていうのは必ずつながっていて、そのつながりに敬意を払うっていうのがコンセプトなんだよ。
HRFQ : 新しいテクノロジーは取り入れようとおもいますか?
Joe : 新しいテクノロジーにはいつも興味があるけど、やっぱり僕たちのやってることの中心にはソウルがあるべきだと思うんだ。テクノロジーは音楽に新しい何かを与えることはあっても、ミュージシャンとやるほどのエネルギーは絶対に得られないと思うからね。
HRFQ : Spiritual life レコードの活動について教えてください。
Joe : このレーベルは1996年に始まったんだけど、作品を機械的にリリースし続けるようなレーベルではなくて、もっとオーガニックなものをリリースしていくところなんだ。新しいアルバムもいくつかリリースが決定していて、マリのDeepっていう新しいグループのアルバムもその中に含まれているよ。彼らのサウンドはZookというアフリカン・ミュージックなんだ。
HRFQ : 誰か注目しているプロデューサーやアーティストは?
Joe : もちろんいるんだけどまだ言いたくないんだよね。っていうか、Spiritual Lifeではそういうアーティストから本当にたくさん音楽が送られてくるんだ。僕は新しい音楽を探すときに大切にしているのはユニークさと、どれだけ自分のオリジナリティーがあるかってこと。それからその音楽のルーツになっているものは何かっていうこともすごく大切にしているよ。
HRFQ : ところでSouthport WeekenderのミックスアルバムはイギリスのSUSUレコードからのリリースですが、どういった経緯であそこからのリリースになったんですか?
Joe : ああ、あれはね、毎年サウスポートですごい大きなイベントをやってるんだけど、去年もそのイベントをやらせてもらって、そのつながりでミックスアルバムを作るのに参加してくれないかって頼まれたんだ。だから僕自身の活動とは直接的に関係があるわけじゃないね。
HRFQ : 最後に、NYのクラブシーンについてご意見をお聞かせください。
Joe : やっぱり前ほどの盛り上がりはないって言うのが僕自身の意見かな。ただジャンルにもよるとは思うけどね。勿論、いろんな条例とか政策のせいって言うのも関係あるかもしれないけど、正直言って“結束力”の問題だと思ってるんだ。ハウスミュージックには以前のような結束力がなくなっちゃったね。NYのハウスミュージックのクラブでひとつでも儲かってるところがあるかい?ゼロだよ。Body & Soulがなくなってから、それに代わるものがなくなったってことさ。
End of the interview
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関連リンク
Space Lab Yellow Official Site
SPIRITUAL LIFE Official Site
Sacred Rhythm Official Site