現在のようにミニマル / クリック・サウンドが主流となる前の‘02年より自身のレーベル Contexterrior を中心に数々の良質ミニマル作品をリリースし、ドイツの名門 Playhouse や UK の Soma などでもリミキサーとして活躍してきたベルリン在住の人気 プロデューサー Jay Haze。デトロイトの Movement や UK の Encompass 等のビッグ・フェスにも出演するなどDJとしても多大な評価を受ける彼が今年の11月に来日を果たすということで HigherFrequency もインタビューを行った。自身のバック・ボーンから Cocoon でもリリースする Samim とのユニット Fuckpony について、さらには今後の活動予定などを代官山 Air でのライブ直後、熱気冷め止まぬテンションで語ってくれた。
Interview : Ryo Tsutsui (HigherFrequency) _ Len Iima (HigherFrequency) _ Introduction : Masanori Matsuo (HigherFrequency)
HRFQ : あなたの音楽的なバックグラウンドを教えてください。
Jay Haze : それほどバックグラウンドはないんだ。僕は8歳のときにウッドベースを始めて、4年でやめて、それからは音楽を聴いて育ったんだ。音楽は僕にとって人生にとって最も大切なものの一つだよ。時には人よりも大事だったりするかもしれない。音楽は自分を自分自身の感覚により深くつないでくれるように感じるから。DJは15年前に始めて、楽曲のプロデュースは8年前に始めたんだ。
HRFQ : どこかであなたは Philadelphia 出身で Berlin に移られたということを読みました。なぜBerlin に移られたのかお聞かせいただけますか?
Jay Haze : 最初は Amsterdam に移ったんだけどそこでは上手くいかなくて、 Berlin に移ったんだ。友人の Ricardo Villalobos が誘ってくれて、スタジオをシェアしてくれたというのも大きかったな。おかげで今は上手くいっているよ。
HRFQ : 現在のベルリンのシーンはいかがですか?
Jay Haze : クールだよ!多くの人にとって刺激的だと思う。僕にとってはすばらしい所だよ。
HRFQ : 音楽制作にはどのような機材を使用されていますか?
Jay Haze : リストをあげるとキリがないな、ハードウエアも使うし、ソフトウェアも使うけど、僕のスタジオはどんどん増殖していっているよ。ギグをやるたびにギャラの一部が新しい機材とレーベルに投入されるんだ。僕はアナログなスタジオを組み立てていきたいって思ってるんだ。もっと大きなミキシングボードが欲しいし、今はテープマシンが欲しいなって思ってる。僕は古いサウンドを再現できるようになりたいって思っていて、逆にデジタルサウンドにはそれほど入れ込んでいないんだ。
HRFQ : あなたは Samim と Fuckpony というプロジェクトをやられていますが、どのように始まったんですか?
Jay Haze : 基本的にはあれは僕のプロジェクトなんだ。ただたまに誰かに参加してもらっているんだよ。
HRFQ : なぜ Fuckpony という名前にしたんですか?
Jay Haze : んーわかんないな。夜遅くにスタジオにいて Fuckpony っていう名前が浮かんだんだ。何でかはうまく説明できないよ。でもアメリカのプレスはプロモーションに困ったらしいよ。やつらは ピーpony って書くしかなかったらしい。
HRFQ : リミックスするトラックはどうやって選びますか?
Jay Haze : リミックスして欲しいという人みんなに言うのはまずオリジナルを送ってくれってこと。僕がそのオリジナルを気に入ったら次にパーツを送ってもらうんだ。ループやなんかをね。たまに曲が良くてもループがシンプルすぎて気持ちを入れてリミックスを作るのが困難なときもあるからね。
HRFQ : あなたは自分自身をDJだと思いますか?プロデューサーだと思いますか?
Jay Haze : 僕はその二つを分けて考えていないんだ。どちらも大好きだよ。僕にとってDJはどうやって人とコネクトするかっていうことだし、プロデュースはどうやって自分自身にコネクトするかっていうことなんだ。もし僕がすっとスタジオにこもって制作だけに明け暮れたら内省的になりすぎてしまうと思うし、ずっとDJだけやっていたら自分を出すことが難しいと思う。DJって人の曲を使うことの方が多いからね。
HRFQ : 今後のご予定を教えてください。
Jay Haze : 来年の2月に僕のアルバムがリリースされるんだ。アルバムの名前は Love and Beyond でもう3年も取り組んできたものなんだ。これまでのところの自分のマスターピースだといえる内容に仕上がっているよ。今丁度プロモーションが進められているところなんだけど、内容的にはボーカルアルバムでソウルミュージックみたいな感じなんだ。BPM90ぐらいでね。それと収録曲がすべてクラブトラックのダブル12”インチと、ヴォーカルと、ヴォーカル版とはまったく別内容のインストゥルメンタル、これにはロックやヒップホップ、ダンスホールといった色々なテイストの楽曲が収録された内容になるんだけど、これをリリースできることにとても興奮してるよ。長い間かかったからね。
HRFQ : 日本のファンにメッセージをお願いします。
Jay Haze : 日本の皆を愛してるよ。食べ物はおいしいし、日本酒は僕のファイバリッドだよ。それに日本の電車はいつも時間通りにくるのがすごいね!メッセージとしては意識を開放しよう、それを開放したままにしようってことかな。日本の人たちはもっとお互いに交流した方がいいと思うよ。僕が外で人とコミュニケーションをとろうとしたときに皆からもコミュニケーションを欲しているのを感じたけど、時に閉鎖的すぎる気がするよ。だからそれが僕のアドバイスかな。意識を開放してお互いにもっと話し合おう。知らない人に話しかけるのを恐れないで、人に笑いかけよう。Peace out!
End of the interview
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