Francisco Allendes Interview

モダン・ダンス・ミュージックへの熱狂止まぬ南米チリから、またも期待の新鋭が登場した。Francisco Allendes は地元サンティアゴを舞台に早くから積み重ねたDJ経験に、幼少時からのバイオリン演奏に裏づけられた音楽的基礎、そして音楽に対する広範な愛情でトップ・レーベル Cadenza のアーティストとしてその活躍の場を世界へ広げはじめたところだ。

今回は日本とチリで行われたDJコンテスト「パタゴニカ」での縁によっての初来日とあって、気合十分の彼に直前インタビューを決行。自身のレーベル Andes Music やチリのシーンへの思いを存分に語ってくれた。

Interview : Laurent Novatin (Tech Booty Funk / RedBox)
Introduction : Yuki Murai (HigherFrequency)
In cooperation with HITOMI Productions

-- まずはこれまでの生い立ちや、経歴を教えてください。

F.A (Francisco Allendes) : 僕はイキケ（Iquique）というチリ北部の都市で生まれて、それから5歳のときにサンティアゴに引っ越したんだ。僕が音楽に触れだしたのはサンティアゴに移ってからなんだけど、9歳のときにバイオリンを始めてからというもの、ずっと音楽漬けの人生だよ。それから16～17歳のときにバイオリンをやめて、高校と大学のときはギターやシンセ、コンピューターで音楽を作ったりしていたんだ。だからもう大学を卒業する前には「音楽で生きていこう」って決めていた。

-- ダンスミュージックを作ろうと思ったきっかけは？

F.A : バイオリンをやめてから、自分だけで作曲して、それを自分だけで演奏できる方法は何かなって考えたら、エレクトロニック・ミュージックっていう答えに行き着いたんだ。だって曲を作ったらコンピューターが演奏してくれるからね。すごいことだよ！それから何年か経ってから、僕の兄がクラブに連れて行ってくれて、それがとてもいいパーティーだったんだ。それがダンスミュージックと僕の初めての出会いだね。そしてその日からDJになろうと決めたんだ。

-- チリのシーンについて教えてもらえますか？

F.A : チリのアンダーグラウンド・シーンはとてもいいよ。ジャンルはハウスだけじゃなくて、トランスとかドラムンベースとかテクノとか幅広いけど、それぞれに世界的に有名なアーティストがいて、みんなすばらしい作品をプロデュースしているし、どのパーティーもとても質が高いね。みんな「チリっぽい」サウンドに慣れ親しんではいるけど、新しくてフレッシュなサウンドを受け入れるオープンな感性をもっているしね。クラブシーン自体はそんなに大きなものではなくて、エレクトロニック・ミュージックのかかるクラブは国全体でも少ししかないんだけど、みんなでシーンがもっと大きくなる日を待ち望んでいるよ！

-- どんなアーティストやサウンドに大きな影響を受けましたか？

F.A : Frank Zappa、Pink Floyd、John McLaughlin、あと Fela Kuti がすごく好きなんだ。それと70年代のプログレッシブロックとジャズだね。シンセサイザーの黎明期ともいえる時代だし、あらゆるバンドが実験的に取り入れ始めていて、それが結果としてきちんと残っていると思うんだ。僕は彼らの音楽を毎日のように車でも聴くし、携帯電話にだって入れているし、家でも聴く。だからこれらのアーティストが僕に一番大きな影響を与えたんじゃないかな。

-- あなたの作品は南米でとても反響を呼びましたね。そしてインターナショナル・シーンでも話題になり始めています。これまでどの国のどんなクラブでプレイしたことがありますか？そしてそのときの印象は？

F.A : 今年は本当にいろんなところに行ったね。エクアドル、コロンビア、アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル、ペルーなどなど。そして日本に行ってからは、オランダ、ドイツ、スペインとロシアに行くよ。僕の音楽が海を越えて、僕のことを遠くの国に連れて行ってくれるのは、最高の気分だね。でもどの国も彼ら独自のシーンがあって、僕は敬意を示すためにそのサウンドを取り入れるように注意しているんだ。こうしていつもフロアが最高潮に達するように心がけているよ。

-- これまでで最高のギグは？

F.A : コロンビアのグアルネという街に行ったんだけど、森の真ん中で、周りに家も何もないところで、パーティーしたんだ。相当長時間だったけど、クラウドと一体になれたし、本当にすばらしかった！

-- パタゴニカ・コンテストでの優勝後の来日ですが、日本のシーンについてのイメージは？

F.A : 今回の来日を本当に心待ちにしているし、楽しみながら日本のオーディエンスの前でプレイできたらと思っているよ。田中フミヤやケンイシイの話はよく聞くし、FPMやピチカート・ファイブのようなポップなサウンドもよく知っている。日本のシーンはとても大きいよね。パタゴニカのコンテストで日本代表だった Aosawa がチリに来た時、日本のダンスミュージック・シーンについて聞いたんだ。今回は僕の期待以上のことがいろいろと起きてくれると思うよ！

-- あなたのレーベルである Andes music のポリシーは？

F.A : Marcelo Rosselot というパートナーと2007年にこのレーベルを立ち上げたんだ。チリで一番初めにレコード流通とデジタル流通をワールドワイドにするレーベルになりたいなと思って。これからビッグになりそうな友達のDJの作品をリリースして、かっこいいリミキサーを探している。今の音楽ビジネスの状況はあまりよくないと思うし、僕らみたいな小さなレーベルには本当に最悪な状況じゃない？だから、僕らのレーベルは、僕の友達と世界のエレクトロニック・シーンをつなぐ、ネットワーク・ビルダーの役目になるんじゃないかなと考えているよ。

-- 今後の予定は？

F.A : Cadenza から最近リリースしたばかりで、次は Andes music からのソロアルバム "Fiebre Amarilla" を出して、それから年内に Limonada と Phaze からもリリースするよ。来年はまた Cadenza から2枚出す予定だね。

End of the interview

Skinnipants presents BOO! vol.3 Halloween Bash!!
2009年10月31日 (Sat) @ Fifty-Seven
Door : Y4,000 _ W/Costume : Y3,000

LINE UP :
DJ : The Revenge (Instruments of Rapture)
Francisco Allendes (Cadenza)
EZ (TILT, A.C.E.)
TAROAKIYAMA a.k.a. FKNV (SLEEPING BUGZ RECORDS, A.C.E.)
Kenji Kimura (Mad Foot)
Leon and Skinnipants (Skinnipants)
Groove Patrol (Phonika)
Rahadafunk (Ooooze)
Mark Jarnes (Redbox)