ベルリンを拠点にDJ 、プロデューサー、そしてレーベル "Bpitch Control" のオーナーとして幅広い活動を繰り広げる女性アーティスト Ellen Allien。 テクノ先進国ドイツでも異才を放つ活動内容で尊敬を集めていて、その独特の感覚から放たれる音楽は常に大きな反響を呼んできた。最近でも2005年に発表した Thrils や 2006年に Ellen Allien & Apparat 名義で発表された Orchestra of Bubbles でもその才能を発揮し、常にその動向が注目されている。今回5月末に4枚目となる ”SOOL” を発表した彼女にインタビューを決行。アルバムにこめた思いや、今回共同プロデューサーに名を連ねたAGFとの話や日本についてなど、貴重な話を聞かせてくれた。
> Interview, Ryo Tsutsui (HigherFrequency)
Higher-Frequency(HF) : 4枚目となるアルバム”Sool”ですが、アルバムを通して何を表現しようとされたんですか?
Ellen: SOOLではスピリチャルでミステリアスで、それでいて洗練された形にミニマルで、そういったものを目指したの、それを作るためにすごく専念したわ。 SOOLというタイトルには幸せや平和、美に溢れた世界で暮らしたいという私の願望がこめられているの。ただ光があるところに必ず影があるということにも目を向けていて、SOOLというのは地名なんだけれど、ソマリアでも最もまずしい地域の一つで、そこに住んでいる人たちは空腹や病気などで苦しんでいるの。裕福で健康な生活を送っている私達、西側のライフスタイルはそういった苦しんでいる人たちが存在している裏側で成り立っていたりする部分もあって、常に幸せを追い求めると共にそういった苦しみが存在しているんだということも忘れないようにしているの。
HF : 今回のようなテーマを選ばれたのはなぜですか?
Ellen:まずコンセプチャルなアルバムを作りたかったの、アブストラクトで、エレガントで、スマートで、安っぽさや、ポップさのない、要素を入れすぎていないような、今の自分の音楽的嗜好の断片のようなものを作りたかったの。そういったところからミニマルの要素にもすごく惹かれているんだと思う。色々な感覚が自分の中にあるし、だけど自分自身はつねに同じ自分であるつづけているから。それとSOOLではまさに自分が自分のDJセットに欲しいと思っているけど、ないものを作ったという部分もあって、自分自身の音楽を追及するのと、クラウドを楽しませることの間には相容れない部分があるのもわかっているけど、私は両方とも好きなの!両方を追求するのが私の人生なのよ!
HF : なぜLaubからAGFを共同プロデューサーに迎えたんですか?
Ellen : 彼女は私のもっともお気に入りのプロデューサー・ミュージシャンの一人なのwww.poemproducer.com、それにだいぶ前からの友達で、Goethe Instituteのためにやったブラジルとアルゼンチンのツアーでも一緒だったことがあったんだけど、そのときから是非一緒にやってみたかったの。SOOLでは彼女は私の共同プロデューサーとして建設的でプロフェッショナルな仕事ぶりを見せてくれたわ。私達はそれぞれに音楽に対して違ったアプローチを持っているし、とても楽しい時間を過ごすことができたの。とても実りの多いプロセスだったと思う。それに今回、そのほかにもApparatとHolger Zilske(Smash TV)と一曲ずつコラボレーションしたの。
HF : 私達にはどのように聴いて欲しいと思ってらっしゃいますか?
Ellen : どんな時でもどんな場所でも好きなときに聴いてみて。ダンスフロアでもジョギングのときでも、お家でも、パーティの前でも、あなたがどんなムードの時でも楽しんでもらえると期待しているわ。そういう風に聴いてくれる様々な人々のために作ったんだもの。
HF : あなたは3月に来日されましたが、日本では楽しく過ごされましたか?
Ellen : もちろんよ!いつもだけどね!!日本に行くとあまりのバイブの良さについ無口になってしまうぐらい。なんだか特別なムードがあるわ。アーティストに対してとても敬意を払ってくれるし、日本の人たちは音楽のことは私達が実際やっていることをとてもよく理解してくれているし、私は日本の大ファンだわ。
HF : 日本のクラブシーンは変化していると感じますか?
Ellen : たぶん政府の政策のせいなんだと思うけど、いくつかクラブやレコード屋さんなんかがクローズしてしまって、さびしいと感じるわ。でもそういったことがまた次の機会とか新たな傾向を生み出していくと思うのね。私達は常に考え方を新しく持って、社会と付き合えるように新たなアプローチを常に考えていかなくちゃならないと思うの。そうやって私達も成長できるんだと思うわ。
HF : それでは日本のファンにメッセージをお願いします。
Ellen :長年にわたってサポートしてくれてありがとう!! 日本の人たちといい関係が作れていることをすごく誇りに思っています。そしてそれはインタビューを読んでくれているあなたがいなかったらなかったこと。これからも沢山のすばらしいパーティを共有できることを祈っています。 Thanks thanks thanks!!!!
End of the interview
Ellen Allien "SOOL" out now!
Label : Bpitch Control
01. Einsteigen
02. Caress
03. Bim
04. Sprung
05. Elphine
06. Zauber
07. Its
08. Ondu
09. Frieda
10. MM
11. Out
関連リンク
Bpitch Control Official Site
Ellen Allien Myspace Page