HigherFrequency  DJインタビュー

ENGLISH INTERVIEW

Danny Howells Interview


多くのダンス・ミュージック・リスナーから支持を得ているイギリスのレーベル Global Underground。その最新作である"Global Underground #027 MIAMI"を手がけたイギリスのトップDJ/プロデューサー Danny Howells が、同作品のリリース・ツアーの一環として7月2日に渋谷 WOMB で約半年振りとなる来日公演を行った。

今回の作品では、サンフランシスコ系ハウスから、エッジーなエレクトロニック・ミュージック、そしてファンキーなプログレッシヴ・トラックまで縦横無尽に駆け巡るエクレクティックなスタイルでリスナーを完璧に魅了してくれた Danny Howells。オープン〜クローズまで本人がプレイするという今回の公演においても、CDの内容に負けず劣らぬ幅広いプレイ内容で、集まった熱狂的なファンたちを徹底的に楽しませてくれていた。

そんな Danny Howells に、今回の来日の機会を捉えて HigherFrequency がインタビューを実施。開演前のひと時に、今回のCDやツアーのこと、そして気になるあの「ペイズリー・シャツ」のことなどについて話を訊くことが出来た。

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> Interview : Matt Cotterill _ Translation & Introduction : Kei Tajima (HigherFrequency) _ Photo : Mark Oxley (HigherFrequency)

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HigherFrequency (以下HRFQ) : Danny!こんにちは、調子はどうですか??

Danny :すごくいいよ。ありがとう。今日は5週間続いたツアーの最終日だから、明日家に帰ることをすごく楽しみにしてるんだ。

HRFQ : Miamiのリリース・ツアーですよね?

Danny: そうなんだ。3月からツアーを回っていてね。アメリカとカナダを6週間かけて回って、1ヶ月間ヨーロッパを回って、それからこの5週間はオーストラリアとニュージーランド、アジアを回ってきた。それで、やっと10時間後には家に帰れるんだ。だからもう少しの辛抱だね。

HRFQ : 今回のツアーはどうでしたか?

Danny : すごくいいよ。良いギグがたくさん出来たし、"OK"って感じのギグもいくつかあった。でも、かなりのホームシックにかかっていたことも確かだよ。というのも、今回僕がツアーに出てる間に、イギリスの実家では良い出来事がたくさん起こっていてね。最近新しい妹が出来たんだ。でもずいぶんと家に帰ってないから、まだ会えてもいないんだけどね。

HRFQ : おめでとうございます。それは良いニュースですね。

Danny : ありがとう(笑)。でも、ツアーは楽しかったよ。あまりにたくさんの時間をホテルで過ごして、気がおかしくなってしまいそうになった時もあったけどね。楽しかったことは確かだよ。

HRFQ : 分かりました。それではアルバム "Global Underground 27 Miami " についてお話していきたいのですが…。そこのカメラに向かってどうぞ。

Danny : 全世界のレコード・ショップに置いてあります。ダウンロードしちゃダメだよ!

HRFQ : そう、ダウンロードはダメです。

Danny : それに、レコードを買うとこういうナイスなブックレットがついてくるんだから!

Danny Howells Interview

HRFQ : 今回の2枚組みのCDですが、日本人の読者のためにそれぞれのコンセプトを教えていただけますでしょうか?

Danny : もちろんだよ。Global Underground シリーズは毎回その都市とパーティーに基づいたコンセプトでコンパイルされているんだ。CDのリリースが決まるとラウンチ・パーティーが設けられるんだけど、そこでプレイをしたトラックがCDに入ることになるのさ。その場でライブ録音をするというわけじゃないんだけど、そのラウンチ・パーティのセットがCDのベースのカラーになるんだ。僕のラウンチ・パーティーはマイアミの Space で去年のハローウィンに行われたんだけど、僕はそこで2セット プレイしてね。夜中にクラブの中でプレイしたセットがディスク2に、朝方、太陽が昇ってきたときにテラスでプレイしたセットがディスク1になったんだ。 だから2枚とも違ったフィーリングでミックスされてるんだ。ディスク1は太陽の光を思わせる感じで、ディスク2よりも、少しハウシーでファンキーな感じになってるよ。

HRFQ : 今までの Global Underground の中でも、最高の仕上がりだと思っていますよ。

Danny : ワォ、それは嬉しいな。ありがとう。

HRFQ : 以前、ディスク1がお気に入りと話していらっしゃいましたが、今でもそうなのでしょうか??

Danny : そうだね、日々変わっていくものだけど、今のところディスク1のほうが気に入ってるかな。なんとなくCDの雰囲気がね…今ってだんだん気候も暖かくなって来てるでしょ?ディスク1って太陽の光っぽいイメージが強いと思うんだ。ディスク2はもう少しエレクトロっていうか、冬っぽいイメージがあるんだよね。もちろん、二枚とも気に入ってはいるよ。ディスク2には実験的なトラックも入っていて、ディスク1よりエクレクティックなミックスになっているしね。二枚とも仕上がりにはすごく満足してるよ。

HRFQ : 確かに、今回のCDにはかなりエクレクティックなトラックが含まれていると思います。新しい音楽を聴くのに通常どのくらいの時間を費やしているのですか?

Danny : 常に聴いてるよ!

HRFQ : 一日じゅうですか?

Danny : そうだね。それも家にいないとイライラしてしまう原因のひとつなんだ。僕はラップトップを持って移動しないからさ。家にいるときは、たいていレコード会社が音源を送ってきたり…まぁ、そういうのはあんまり聴いたりはしないんだけど、レコード・ショッピングをしてるからね。とある決まった2店舗からは定期的にたくさん買っていて、たまに一週間に100枚以上買うときだってある。それに最近では TrackitDown や Kompakt MP3 みたいなウエブサイトで MP3ショッピングもしているよ。だから今は常にそういったMP3サイトや、レコードショップで新しい音楽を探しているというわけさ。ツアー中でも、例えばアメリカではいいレコード・ショップを知ってるんだけどね。デンバーならここ、シカゴやニューヨーク、サンフランシスコならここって具合でさ。そういう時はツアー中でも買い物するけどね。だから僕の時間はほとんど音楽のために使われてるのさ、例えそれが仕事のための音楽だとしても、自分がリラックスするために聴く音楽だったとしてもね。

HRFQ : Dick Trevorとのユニット、Science Department 関連で何か動きはありますか?リリースの予定などは?

Danny : 特にないかな。新しいリリースはないね。でも、新しく"Kinky Funk"っていうユニット名でつくったトラックが Desyn Masiello の Bedrock のCDに入ってるけどね。

HRFQ : OSですか?

Danny : そう。一番初めの Original Series にね。そのトラックももうじきリリースされる予定だよ。その他には Destiny's Child のリミックスをやったくらいかな。このツアーが終わったらまた新しいトラックの制作に取り掛かる予定ではいるんだけど、次のリリースまでにちょっと時間が空いてしまうから、今度レーベルはScience Dept.の昔のトラックを再リリースするみたいだよ。"Breathe" っていう古いトラックなんだけどね。ほら、時間をつぶすためにね (笑)!

Danny Howells

HRFQ : このジャケットであなたが着ている噂のシャツについて少しお話したいのですが…

Danny : 綺麗なペイズリーだよ、光沢があってね。シャイニー&ペイズリー(笑)!!みんな悪趣味だと思ってるみたいだけどね…僕は大好きなんだ。

HRFQ : いいと思いますよ。ハハ(笑)

Danny : このシャツが大好きなんだ。いつもだいたいペイズリー柄とか、花柄のシャツばっかり買ってるね。ヴィンテージ服も大好きだし、ちょっと変わった服が好きなんだ。あのシャツのことはすごく誇りに思ってるよ。賛否両論だけど、僕は全く気にしないね。

HRFQ : 「ヒドい写真だ」と評したのはDJ Magでしたっけ?

Danny : 確かに書いたね。 でも、ほとんどの人が彼らが本気でそう言ってると思ってるんじゃないかな。まぁ実際、DJ Mag もヒドい写真だと思っただろうし、だから読んだ人も本気で彼らが僕を非難してると思ったんだろうけど、僕は、本当は彼らがあの写真をすごく気に入ってるんじゃないかと思ってるんだ。だって、そのコメントが載った雑誌をきちんと僕に送ってきたんだよ。本気でヒドいと思って非難してるとしたら、わざわざ本人に雑誌を送ってきたりはしないでしょ。

HRFQ : 東京でよくショッピングされたりするんですか?

Danny : 結構するよ。今までにもいろんなクレイジーな買い物をしてきたよ。靴にパンツに、この時計もそうだよ。この時計も東京で買ったんだ。80年代のカシオの古い時計で、日本語の辞書と翻訳機がついてるんだよ。前回ここに来たときは、2日間くらいショッピングする時間があってね。行くところがたくさんあるし、僕はレコードと洋服には本当に目がなくてね。来るたびに、出来るだけ買い物しようとしてるんだ。だって日本にはイギリスでは見つけられないものがいっぱい売ってるからね。2年前にここに来たときに、パンクっぽいストライプの、ピンがいっぱいついたシャツを見つけてね、しかもすごい着心地が良かったんだ。ああいうシャツはイギリスでは見つけられないな。だからいろいろなお店に行って、買い物をするのがすごく楽しみなんだ。例えいつも変な格好しててもね、努力はしてるというわけさ。

HRFQ : 最後に、日本のファンへのメッセージをお願いします。

Danny : 僕を応援してくれている日本のファンへ!日本に来るのはいつも楽しみだし、いつも楽しくプレイすることが出来るんだ。今までに WOMB では本当にすばらしい夜を経験してきたし、これからもそういう経験が出来るといいと思ってるよ。また会おうね!

HRFQ : Danny、今日は本当に有難うございました。今日のセットと、これからのご活躍にも期待しています。

Danny : ありがとう!

End of the interview

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