HigherFrequency  DJインタビュー

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Extrawelt Interview

ダンス・ミュージックに対する独自の審美眼と、個性豊かなパーティー・ラインナップで東京のクラブ・シーンの一翼を担う存在として根強い人気を獲得しているクラブ AIR 。2007年の締めくくりとして、また2008年の幕開けとして、今年の大晦日のカウントダウンパーティを演出することになるのが Ken Ishii と, Jazztronik こと野崎良太, Sugiurumn という世界基準の活躍を見せる3人だ。 AIR ではこのビッグパーティを前に3人そろっての対談をセットしたとのことで、 HigherFrequency でもその対談の模様をお伝えしたい。3人のリラックスしたやり取りや、イベント当日に向けた意気込みなどとともに意外な秘話なども登場する非常に興味深い対談となっているのでお楽しみいただきたい。

> Interview & Text : 安田大謙 (FLOOR net) _ Introduction by Ryo Tsutsui (HigherFrequency)

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Q : このメンバーでこういった機会を持つのは初めてですか?

KEN ISHII : 初めてですね

sugiurumn : もちろんそれぞれは面識があるんですけど、この3人の DJ が一同に会するのは珍しいですよね

野崎良太(以下、野崎) : 僕はこんな日が訪れるとは思っていなかった。じつは KEN(ISHII) さんの大ファンですよ! サインをもらおうと思って、CD を持ってきちゃいました(笑)

Q : 野崎さんはテクノっ子だったんですよね。KENさん、知っていました?

KEN ISHII : この前に西村(洋一)君から聞きました。Jazztronik の作品はもちろん知っていたけど、彼がテクノ好きだったとは知らなかったですね

野崎 : 学生の頃に曲を作り始めたとき、KEN さんのトラックをパクったりしてました(笑)

西村洋一(以下、西村) : 先日、Defected から発表された『Jazztronik In The House』のリリース・パーティを大阪と東京でやったんです。その大阪のときに、野崎君が KEN さんを大好きだって言うから、『いまから電話して、一緒にイベントをやろうよ』って話になったんですよ

野崎 : そのとき『電話を代わるよ』って西村君が言ってきて……『無理! 無理!』って(笑)

西村 : 「結局、急にやるのもどうかって話になって、まず KEN さんのレジデント・パーティー『STANDARD』(11月16日@AIR) に出演してもらうことでまとまったんです。それでカウントダウン・パーティへ繋げようと

野崎 : さすが! 敏腕プロデューサーですね

西村 : そんなことないですって(笑)

Q : では、そんな敏腕にお聞きしたいのですが、今年の AIR カウントダウン・パーティを KEN ISHII、sugiurumn、Jazztronik の3名に委ねた理由は?

西村 : 世界基準です! カウントダウン・パーティともなると、海外のアーティストを呼んだり、ただ知名度がある人をブッキングすることも可能だとは思うんですが、それだと良質な音楽を純粋に届けるというパーティではないような気がして……。でも、この3人は知名度がありつつ、自身のプロデュース・ワークやDJ活動もバランスがとれている。しかも、その両方が海外で評価され、“世界で活躍している”ということが今回の1番大きな理由ですね。皆さんなら世界を踊らせているスキルとセンスで、最高のパーティを演出してくれるのではないかと思って

Q : KEN ISHII さんの世界的な活躍は周知の事実ですが、ここ最近は sugiurumn、野崎さんの世界的進出も日本のシーンに大きな影響を及ぼしていますよね。

西村 : そう。KEN さんは MTV アワードの受賞から、オリンピックのテーマ曲まで作ったり、IBIZA のフェスでBEST TECHNO DJ を受賞。言うまでもなく世界トップ DJ。この前、スペイで行われたフェスに同行させてもらったんですけど、スベンヴァス、リッチーホーティン、アンダーワールドも登場するメインのステージで、KEN さんが5万人のオーディエンスを前にプレイして……

野崎 : それはすごいですね。日本人として、テクノの世界でここまでの活動をしているのはホント KEN さんぐらいじゃないかな

西村 : 夕方の4時から次の日の昼1時までのノンストップ・イベントだったんですけど、KEN さんがアンダーワールドの前の時間にプレイしているのを目の当たりにして、やっぱりすごいなって

sugiurumn : 想像もつかない景色が広がっているんでしょうね?。僕もようやく海外のクラブでプレイできるようにはなったけど、そこまでの道のりは遠い……(笑)

西村 : いや、最近の sugiurumn さんの活動もまさに世界を視野に入れていると思う。 pacha (ダンス・ミュージックの楽園と呼ばれるイビサ島にあるビッグ・クラブ)が発表しているミックス CD を2回も手掛けているのも、その証拠だと思うんですよね。そして野崎君も同様。Jazztronik として、マンチェスターやロンドンでプレイしているし、世界のミックス CD のなかでもっとも大きなセールスを誇っている Deffected 『In The House』シリーズにも、日本人初のオファーを受けている。この世界基準の3人が AIR の大晦日に集まれば、すごく面白いサウンドを聴かせてくれるでしょうね!

Q : なるほど、世界に発信するパーティを目指す AIR ならではの人選ですね。確かに日本、特に東京はクラブミュージックの先進地と呼ばれているけど、世界で活躍されているDJは数限られている。実際、国内の現状と、海外から見た日本はギャップはありますか?

KEN ISHII : クラブ・シーンでいえば、東京がすばらしいというのは本当です。特に東京のクラウドのリアクションは圧巻。質も含めて、お客さんが本当に音楽を知っていると思いますね。ただ、昔からずっとこうだったのではなく、ここ10年くらいで日本がすごく成長したんじゃないかな。だから、ここ最近、海外のアーティストも積極的に来日するようになっているという

Q : 海外での日本人DJ に対する評価はいかがですか?

KEN ISHII : 大都市での評価は、ある程度、高いものがありますね。けど、いわゆる地方にプレイしにいくと、そのパーティのフライヤーに、いかにも和風なファントを使っていたり。日本、アジアはオリエンタルなイメージが根強く残っているんだよね。日本人が音楽でインターナショナルなものをやっていても、どうしてもそのイメージが抜けない。この前もオランダでイベント・プロデューサーに『スシとクラブ・イベントを組み合わせて、新しいことをやりたいんだ』って相談されたよ

一同 : (爆笑)

KEN ISHII : けど、東京のシーンがいいっていうのは、世界中のみんなが知っているみたい。その割にはアーティストが少ないっていうイメージもあるみたいだけど、僕らの音楽にも大きな期待を抱いてくれているようですね

Q : 野崎さんは「samurai」など日本語を使った楽曲が先行して、世界に広まったという感じがありますが。

野崎 : そうそう。相当、勘違いされていますよ。先週にダブリンとロンドンで DJ やったんですけど、ちょうどハロウィーンの時期と重なったんですよ。会場には刀を持ってきた人が大勢いて(笑)。で、『 samurai をかけろ!』っていうコールが起こって、僕がプレイしたら斬り合いを始めたんですよ。あとは、KEN さんが言ったようにスシの話が多いですね。僕もスシとサンバをテーマにしたコンピを作りたいって持ちかけられました。妙な感覚だったな

Q : でも、そこを音楽で納得させ、本当の日本発ダンス・ミュージックを伝えていると。

野崎 : そうですね。日本でも場所によって客層は違うけど、海外はもっと違うんですよ。だから、彼らを自分のプレイや楽曲でダンスさせることはやりがいもあるし、ホント楽しい。ある国で全然盛り上がらなかったのが、隣の国ではメチャクチャ盛り上がったりすることもあって

KEN ISHII : ヨーロッパは特にそうだよね。同じ国でも地中海側と内陸部では全然違う。この前ベルギ?に行ったんですけど、ベルギーはテクノに関しては先進国なんだけど、1番盛り上がるのはいつもキックだけのブレイクをかけたときなんだ。これはベルギーの特徴で、10年前から変わらない

野崎 : しかも、ヨーロッパはものすごく好き勝手に楽しんでいる感じがありません?

sugiurumn : そう! イビサのクラブはどこも DJ の方をあまり見ないですよね。聴こえてくる音楽を純粋に享受しているというか

野崎 : それこそがダンス・ミュージックの本当の楽しみ方なんでしょうね。でも、小さい箱だとブースに入ってきて、オファーしてくるやつがいる(笑)

KEN ISHII : たまにね、紙を渡してきて『マネージャーを通さないで仕事をして下さい』って(笑)

Q : 皆さんはいまなお日本を活動のベースにしていますよね。すでに海外でも高い評価を受けているにもかかわらず、日本でも積極的にプレイする意義をどのように考えていますか

sugiurumn : 僕はグローバルな視点は常に持っていたいんですけど、日本をやはり盛り上げたいんですよね。KENさんも野崎君もそうだけど、拠点が日本にあって、オファーがあって海外へ出て行くというスタイルが望ましい

Q : 例えば、SATOSHI TOMIIIE さんのような活動スタイルも可能だと思うんですが……。

sugiurumn : 可能じゃないでしょ(笑)。NY を拠点に SAW レコーディングスを運営してってハンパじゃないよ。もちろん俺は俺のやりかたで斬り開いていきたいです。日本には sugiurumn がいるって言われたら嬉しい

Q : KEN さんはどうですか?

KEN ISHII : 僕はデビューがたまたまヨーロッパだったいうこともあって、世界と日本をあまり意識せず、分け隔てなくやっていますね。だから、海外だからといって特別な気負いはないかな

Q : 海外に拠点を置いたほうが良いかな、って考えたことは?

KEN ISHII : ヨーロッパは月に1〜2回行っているから、正直住んだ方がいいかなって思うこともあるんですよ。でも、それを10年以上やらないできたので、東京に住んでいるというアイデンティティがある。 sugiurumn 君が言ったように、日本を盛り上げたいってのもあるし、日本だろうがヨーロッパだろうがアメリカだろうがニュートラルな立場でやりたいっていうスタイルが重要だから

Q : 自分のスタイルを保っていくために、日本という土壌と文化が大きな基軸になっているんですね。では、海外でプレイする際はその国の流行に合わせることはありますか?

KEN ISHII : むしろ逆だね。ロンドンとかベルリンとか、先端を走っているような都市のほうが、トレンドに巻き込まれやすい。例えば、いまのテクノだとミニマルが流行っていて、ドイツのアーティストが多いでしょ。だから、ベルリンはミニマルじゃないとお客さんが集まらないとか、そういう傾向があるんだよね。けど、僕はそういう潮流から離れたいから、東京にいるのかもしれない。自分のスタイルがその国に合っていたら、何度も呼ばれるし、合わなかったら仕様がないっていう考えがあるんですよね

Q : 野崎さんも同様の感覚でしょうか?

野崎 : 僕はまだ KEN さんのような、経験も知識も得ていないから、単純に海外に行くのが楽しい段階ですね。その都度その都度、いろんな人に出会えるし。ただ、僕が海外で活動する意味でもとも大きいのは、自分へのフィードバックがあるという点だと思う

Q : オリジナル楽曲制作におけるインスピレーションということですか?

野崎 : うん。自分の作品に反映できるヒントやアイデアが、至る所にころがっているんですよ。 DJ で行っても、ライブ・ツアーで行っても、何かしらの勉強をしてこれるというか。東京にいるだけでは見えて来ない部分がまだまだあるんでしょうね。日本にいて、海外の良さがわかったり、海外にいて日本の良さがわかったり、適度に両方を行き来できるように頑張りたいですね

Q : 最近のプロ野球界のように、スター選手が海外へどんどん流れていってしまう状況を危惧していたので、みなさんのスタンスを聞けて、ホッとしました(笑)。

sugiurumn : まぁ、結局のところ、僕らは日本が大好きなんでしょうね(笑)。

Q : ちなみに KEN さんは日本を含めた世界中からカウントダウンのオファーがあったのでは? そんななか、 AIR を選んだもっとも大きな理由って何ですか?

KEN ISHII : 過去に2年連続で AIR のカウントダウンをやらせてもらっているんですけど、その前まで9年くらいはずっと海外のカウントダウンだったんです。でも、数年前から大晦日にどうしてもはずせない用事が出来てしまって……。『PRIDE 男祭り』なんですが(笑)

Q : あっ、そうか! KEN さんといえば、格闘技好きで有名ですもんね。

KEN ISHII : そんな僕の趣味を利用しようと企んだ西村君から、『PRIDE とセットでどうですか?』というオファーがきまして。それで05年のカウントダウンから出演が決まりました。その次の年も『男祭り』がすばらしい対戦カードが組まれまして……。ただ言っておきますけど、それだけで決めたわけではないですよ!

sugiurumn : いや、僕が去年 KEN さんと AIR のカウントダウンで共演した際、いろいろと話を聞きましたけど、それだけになっていましたよ(笑)

KEN ISHII : いやいや(笑)。真面目な話、大晦日の AIR は盛り上がりが本当にすごくて。僕もいろんな場所でプレイしているけど、その年のランキング1位にくるパーティで楽しかった。その楽しさを覚えているから、今年もやりたいと。ただ、今年は PRIDE がないから、西村君に何か他のエサをもらわないと(笑)

sugiurumn : PRIDE なくなっちゃったんですか?

KEN ISHII : うん、11月になくなりましたね

西村 : そうなんですよ。今年は PRIDE がないから、どうオファーしようか迷いました(笑)

KEN ISHII : 去年は(PRIDE で) 『吉田vs.小川』戦が組まれたんだけど、その試合終了と同時に駅へ走ってね。時間がギリギリだったから、吉田と小川の試合後のやり取りが観れなかったんですよ……

西村 : なんとか AIR でのプレイ時間には間に合ったんですけど、KEN さんがずっと『あれを観なかったから、今日のプレイに影響する』って言ってきて(笑)

野崎 : そういえば、僕の曲を歌っている子で “猪木ファニー” っていうアントニオ猪木さんの姪っ子がいるんですよ

KEN ISHII : 本当ですか!?

野崎 : はい、アントニオ猪木さんのいろいろな話が聞けると思うんで、大晦日に連れてきます!

KEN ISHII : ぜひお願いします!!

西村 : 野崎君、それはやめて! 話に聞き入っちゃって、また時間に間に合わなくなったりするから(笑)

KEN ISHII : いや、それもプレイに良い影響を与えるはずだから大丈夫だよ(笑)

野崎 : そうだ、今度グラップリング(組技格闘技)しましょうよ。僕、大好きなんですよ

KEN ISHII : 体重は何キロですか?

野崎 : 63ですね

KEN ISHII : 僕、そんなにないですよ。階級が違いますね〜(笑)

野崎 : DJ って、すごく強い人がいますよね。ファンク、ブレイクビーツDJ のケヴ・ダージはテコンドーのヨーロッパ・チャンピオンなんですけど、他にもいろいろと……

sugiurumn : ケニー・ドープとかも強そうですよね

KEN ISHII : ケニー・ドープは自然体でも強いんじゃないですか(笑)。格闘技をやっているとかではなくて

西村 : テクノ界はどうですか?

KEN ISHII : テクノは強い人はなかなかいないね。アダム・ベイヤーが2メートルくらいあるけど、暴力は嫌いだって言っていた。デリック・メイあたりは強いんじゃないかな

野崎 : デリックは強いですよ、絶対!

sugiurumn : ケビン・サンダーソンとかも強そうじゃないですか?

Q : 申し訳ありませんが、別の機会に「国内DJ最強決定戦」をするので、次の質問に移らせてもらっていいでしょうか?

KEN ISHII : それ、絶対にやりましょうね! 階級をちゃんと決めてやろうよ(笑)

Q : わかりました。では、AIR の話題に戻りまして、sugiurumn さんは国内では唯一 AIR でロングセットを披露していますが、その意図は?

sugiurumn : 純粋にロングセットが好きだし、AIR でやっているとホッとするんですよ。お客さんがあまり入っていない時間帯からプレイしていても、AIR では変な気負いを持たなくていいというか

Q : 普段はアップリフティングなプレイが信条の sugiurumn さんですが、AIR でのロングセットの時はミニマルっぽいのもかけたり、いつもとは違う色を体感できるような。

sugiurumn : そうですね。普段はかけれないものも組み込めるし、AIR では本当に色々なことにチャレンジできるホームグラウンドですね

Q : ご自身にとっても貴重なパーティなんですね。そんな皆さんが大晦日に共演されるわけですが、お互いのサウンドに対してはどんな印象を持っていますか?

KEN ISHII : sugiurumn 君と野崎さんがどんなプレイをするのか、もちろん気になるんだけど、この日は酔っ払うだろうな(笑)。AIR ではお祭り的なパーティだと、ブースまで飲ませにくるんですよ、この人(西村氏)が!

西村 : KEN さんは男気があって、出されたお酒は全部飲んでくれるんですよ(笑)

KEN ISHII : いや、普段のプレイ中は絶対に飲まないんだけど、まあ、AIR では楽しくやっていきたいんで(笑)

野崎 : 僕はこのカウントダウン・パーティのためにスーパー・マシンを購入したんですよ。なんて言うのかな、ビュンビュン・マシン? ビープ音ばかり出るマシンですけど

西村 : それを大晦日に導入してもらえるんですか!?

野崎 : 導入しますよ。壊さないでくださいね(笑)。あと、僕は何しろ iPod にはいまだに『KEN ISHII MIX UP』が入っているくらい大ファンなんで(笑)、KEN さんのプレイは聴き逃しません!

Q : 『KEN ISHII MIX UP』 (デリック・メイなども手掛けたことで有名な、テクノ・ミュージックの歴史的な名盤ミックスCDシリーズ)の名が出てくるとは!?

野崎 : それぐらい僕は影響を受けすぎていて、KEN さんのミックスCD は全部持っているんですよ

KEN ISHII : ありがとう、それは嬉しいですね

野崎 : CD もアナログも持っているし、完全にファンとして聴くのが楽しみですね

Q : KEN さんは sugiurumn、Jazztonik のオリジナル作品をどう見ていますか?

KEN ISHII : sugiurumn 君はDJプレイもそうなんだけど、メロディがよくて、本当にいい感じで音に酔えるというか。野崎君はオリジナル作品に対して、どんなDJをするのか、そのギャップを楽しみたいですね。DJ としての共演は今回が初めてなので

野崎 : プレッシャーですね〜(笑)

sugiurumn : 野崎さんがテクノ・セットをやる、ってのはどう?

KEN ISHII : うん、野崎君テイストのテクノを聴いてみたいよね

西村 : 野崎君は『メタモルフォーゼ』でテクノ・セットをやったんですよ。それが大評判だったんですよ

sugiurumn : へ〜、聴いてみたいな。僕は野崎さんのプレイは2回くらい聴いたことあるんだけど、全然違うんでしょうね

野崎 : sugiurumn さんとは AIR で会うことが多いような。新年会でも会いましたよね

sugiurumn : うん。彼のプレイを聴くまでは、アブストラクトっぽいイメージがあったんですけど、全然イケイケだった(笑)。KEN さんのプレイを聴いたのは北海道のフェス『RISING SUN』だったかな。あのときの衝撃はすごかった。本当にビックリしましたね。

KEN ISHII : あ〜、あれが初めて会ったときだったよね

sugiurumn : そう。本当に KEN さんのプレイは圧巻で、この人の後にはできないな、って思いましたもん。俺ってDJって言えるかな、みたいな(笑)。 常にレコードと CD が2つか3つは回っているんですよ。そういうスタイルを観たのが初めてだったから、本当に驚きました

Q : では最後に、当日どんなプレイをしたいか、そしてオーディエンスに向けたメッセージをお願いします。

野崎 : 僕は KEN さんに影響を受けてきて、『MIX UP』という作品が本当の意味でのクロスオーバーだと思っているんですよ。だから、あのくらいのレベルのプレイができたらいいなぁ、って思っています。大晦日に限らず、AIR でやっている自分のパーティでもそういったスタイルを確立したいですね

sugiurumn : 僕はカウントダウンならではなのプレイをしたいですね。お正月でしかかけれない曲ってあるじゃないですか。僕も何年か前のカウントダウンで、0時になった瞬間に『マツケンサンバ』をかけたことがあるんですよ。そしたら、ドン引きされちゃって(笑)

野崎 : オリジナルをかけたんですか?

sugiurumn : オリジナルですね。もう2度とかけない(笑)。捨てました。面白いと思ったんですよ、正月のかくし芸っぽいし。何でもありみたいな雰囲気だけど、何でもありじゃないってのを感じましたね。それに気をつけながら、今回のAIRでは“おめでとう感”を出していきたいです。あとは、自分のプレイができればいいかな

KEN ISHII : 確かにこの日だからこそ、っていう魅力はあるよね。そういう空気が作られているというか。僕は当日いつもより長めにプレイできるんで、ストーリーをしっかりと作ってやりたいですね。 sugiurumn 君が言っていたように、時間が短いとやっぱり突っ走りになってしまうんで。今回はオープニングから4時間なんで、1番いい時にピークを持っていきたいですね。僕自身もすごく楽しみだし、お客さんも一晩に違ったテイストを楽しめるので、本当にいいパーティになると思う。みんなで楽しみましょう!

Q : 楽しみにしています。西村さんからも当日を心待ちにしている人に、メッセージをお願いできますか?

西村 : 世界基準の3人のアーティストがどんなことをするのかを、観てもらって、感じてもらって、お正月を迎えてもらえればと思います。もしかしたら、3人が同じステージに立つこともあるかも。ぜひ、期待していてください!

End of the interview

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