スタイル : ブレイクス
出身地 : イギリス
関連レーベル : Thursday Club Recordings
オフィシャル・サイト :
www.tcr.uk.com
Breakspoll で最重要人物賞 (Outstanding Contribution To Breaks)
を受賞していることからもわかる通り、ブレイクス・シーンの父親的存在。リリース 100番を超えるブレイクス・レーベル Thursday Club
Recordings (TCR) を主宰し、彼がいなかったら今のシーンも存在したかどうか怪しいくらいのゴッドファーザーである。
ジャズ・トランペッターの息子であり、父親のバンドでサックス・プレイヤーとして音楽生活をスタートして以来、サックスやキーボードを操りながら、数々のファンク・バンドを渡り歩いていた
Rennie Pilgrem。彼は'90年代初頭イギリスで大流行したハードコア/レイヴの時代には盟友 Ellis.D と共に Rhythm
Section というバンドで活躍していた。ちなみにこのバンドは Prodigy, Moby らと肩を並べて、ビッグ・フェスには必ず出演するほどの有名なアクトであった。
どんどん BPM を上げるハードコア・シーンに疑問を感じた彼は '93年に TCR を設立し、ハウスのスピードでのブレイクビーツに焦点を当てるようになる。その後フロリダでの活動に影響を受けてリリースした
'A Place Called Acid' は大きく受け入れられ、現在でもこの曲の存在感は色褪せることがなく親しまれている。その後、Adam
Freeland, Tayo らと共に Nu-skool Breaks という言葉を生み出した伝説のパーティ Friction を開始。あまりなじまれていなかったこのシーンの存在を巷に大きくアピールした。
Nu-skool Breaks という言葉が使われるようになってから数年の彼の音楽は、ダークで繊細なものが多かったが、近年の彼の作品はむしろその逆を行っていて、フロアから一線を画したセカンド・アルバム
'Pilgremage' からも顕著にわかるように、肩の力の抜けたファンキーなお気楽路線である。そしてその延長線上に、今一番力を入れているバンド
Rennie Pilgrem & The TCR Allstars がある。’05年に結成し、MC Chickaboo (Soul U Soul)
をヴォーカルに、Rich Thair (Red Snapper) をドラムに、Chris Carter をギターに迎えたこの新しいバンドは、躍動感溢れるステージ・パフォーマンスで聴衆を圧倒し、話題騒然となった。ちなみにこれは
Rennie にとって実に10年ぶりのバンド活動となる。
シーンを最初の最初から見守り続け、TCR 100番記念 MIX をリリースし、大きなマイルストーンに到達した Rennie Pilgrem。彼は現在サード・アルバムのリリースを控えており、このシーンにまた新しい息吹を吹き込んでくれることだろう。(Yoko
Doi : www.n-u-c-l-e-a-r.com)