本名 : Caroline Herve
スタイル : エレクトロ
出身地 : フランス
関連プロジェクト : Miss Kittin & The Hacker、Golden Boy With Miss Kittin
関連レーベル : International DJ Gigolo
オフィシャル・サイト : www.misskittin.com
南フランスはグレノーブルに生を受け、現在はドイツに拠点を置いて活動を続けているエレクトロ・シーンの代表的なディーヴァ Miss Kittin。幼い頃から両親の影響で Miles Davis、Maria Callas、Pink Floyd、The Beatles といった多様なジャンルの音楽を聴いて育った彼女は、'90年代前半に大学でアートを学びながら DJ 活動をスタートさせる。
'93年に友人と共に主催したレイヴ・パーティーで初 DJ を経験した彼女は、その3ヵ月後には早くも Eric Rug、Bertrand、Miloch 等との共演を果たす。そして '95年になると、フランス国内のみならずベルリンやモスクワのクラブにも出演するようになり、彼女は DJ を本業としていくことを決意するのであった。
同年、ツアー中に知り合った DJ Hell にデモ・テープを渡してみたところ、思いのほか好感触を得る。そこで彼女は地元グレノーブルに帰ると、早速旧友である The Hacker にコンタクトを取り、'Frank Sinatra' を一緒に録音。その音源を DJ Hell に送ると、彼は直ぐにその曲を自分のセットリストに取り入れ、Miss Kittin の名をアンダーグランドのクラブ・シーンに響き渡らせた。
'97年には、The Hacker とのコラボレーションでファースト EP "Champagne!" を DJ Hell の International DJ Gigolo からリリース。翌年には、同 EP 収録の名曲 '1982' がヒットして話題を集める。そのような状況の中、彼女の名を世に知らしめる決定打となったのは、同年のラブ・パレードだった。 トリを務めた Westbam が '1982' を使って100万人以上が集まる同フェスティバルを締めたのである。それからというもの、ノン・ストップでヨーロッパ中をツアーして回ることになった彼女は、'99年にドイツの巨大レイヴ・パーティー Mayday、'00年にはスペインで開催されているアドヴァンスド・ミュージックとマルチメディアの祭典 Sonar といったビッグ・フェスティバルに次々と出演を果たしている。
'01年には、Miss Kittin & The Hacker としてアルバム "The First Album" を International DJ Gigolo からリリースするが、翌年には5年にわたる The Hacker とのコラボレーションを解消。ソロ活動に専念することを決意した彼女は、ライブやインタビューを休止し、ジェノバ、チューリッヒ、バルセロナのクラブで務めていたレジデンシーの活動だけに集中するのであった。
それから2年後となる '03年、自身のレーベル Nobody's Bizzness を立ち上げ、遂に待望のソロ・デビュー・アルバム "I com" を世に送り出す。Chicks On Speed を手掛けた Tobi Neuman と Thies Mynther をプロデュースに迎えて制作された本作は、当時 Miss Kittin の代名詞となっていたエレクトロクラッシュの枠に収まりきらない幅広い音楽性を示し、彼女の人気を不動のものへと押し上げたのであった。
'05年には自身の歌声を大々的にフィーチャーした DJ セットが話題を呼んだ "Live at Sonar" をリリース。また、DJ としても Sven Vath の Cocoon がイビザのクラブ Amnesia にて主催するイベントに '04年から3年連続の出演するなど、目覚しい活躍をみせている。
そんな彼女であるが、'06年にはエレクトロ・シーンのトップ DJ が次々と参加して話題を呼んでいる Resist のミックス CD シリーズ "Bugged Out" をコンパイル。同年5月には待望の再来日を果たし、そのカリスマ性溢れるパフォーマンスで多くの人々を酔わせた。(Yoshiharu Kobayashi ; HigherFrequency)