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LFO

LFO - エル・エフ・オー -

本名 : Mark Bell
スタイル : テクノ
出身地 : イギリス
関連レーベル : Warp Records
オフィシャル・サイト : www.warprecords.com/lfo

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シンセサイザーに搭載されている低周波発信機 Low Frequency Oscillation (LFO) を用いて、野太いベース音が唸りを上げる革新的なサウンドを生み出し、イギリスのみならず世界中のテクノ・シーンに革命をもたらした重鎮 LFO。Mark Bell と Gez Varley からなるこのデュオの発展は、長年のパートナーである Warp Records と共にあったと言っても過言ではないが、その名タッグの出会いはイギリスはリーズにある The Warehouse というクラブでのことであった。

学生時代からの友人であり、同クラブに DJ の友達が居ることで遊びに来ていた Mark Bell と Gez Varley の2人は、その友達に頼んで自身のオリジナル曲をプレイしてもらう。すると、偶然その場に居合わせた Warp Records のオーナー Steve Beckett と Rob Mitchell が DJ ブースへと駆け寄り、その斬新なサウンドを作った若干20歳の若者2人を紹介してくれるようにと DJ に頼んできたのであった。

当時はまだレーベルとして正式なスタートを切っていなかった Warp Records であったが、LFO の12インチをリリースすることをその場で約束。'90年にはデビュー・シングルであり、Steve Beckett と Rob Mitchell の2人が The Warehouse で聴いたトラックでもある 'LFO' をリリースする。同シングルは当初2000枚のみのプレスであったものの、当時興隆を極めていたアシッド・ハウスの DJ たちに次々とプレイされ、最終的には全英で12位を獲得、13万枚という驚異的なセールスを記録した。

そんなデビュー・シングルの記録的なヒットの後押しを受けるかのように、翌 '91年にはファースト・アルバム "Frequencies" を世に送り出す。当時一般的であったアナログ・シンセの名機 TR-303 のベース音を用いずに、LFO の発信音を使ってつくられた彼ら独自のサウンドはブリーブ・テクノと呼ばれ、「デトロイト・テクノへのイギリスからの回答」「イギリスのテクノ・シーンの礎を築いた」との大絶賛を受けることとなった。

まだアメリカがシーンの主流であった中で、一気にイギリスへと世間の目を向けさせるという偉大な功績を早くも残した彼らは、当然のようにその後の活躍も期待されていたが、 '96年にセカンド・アルバム "Advance" をリリースするとソロ活動へと移ることを発表。Mark はプロデュース業をスタートし、アイスランドの歌姫 Bjork のアルバム "Homogenic"、"Selma Songs" や、彼の子供の頃からのヒーローであったというニュー・ウェーブ・バンド Depeche Mode の "Exciter" を手掛けるなどして、その道でも着実にキャリアを築いていくのであった。

Mark は、'03年に Bjork のライブ・メンバーとして Fuji Rock Festival で来日。裏方として順調に活動を続ける彼の姿に、事実上 LFO は解散状態に陥ったと誰もが考えるようになっていた。しかし、そのライブの僅か一ヶ月後の8月に、Mark のソロ・プロジェクトとして LFO は奇跡の復活を果たす。まずはシングル 'Freaks' をリリースして復活の狼煙をあげると、同年11月には約7年ぶりとなるサード・アルバム "Sneath" をリリース。文字通り待望であった新曲群は、Luke Slater や Travor Jackson といったビック・ネームに次々とピック・アップされ、LFO のサウンドがデビューから10年以上経った当時も全く古びていないことを証明して見せた。

元々寡作である LFO はその後再びリリースが途絶えているが、'06年5月には Warp Records のレーベル・ショー・ケース的なパーティー i-Warp での来日が決定。数々の賛辞を得た '03年の Electraglide でのライブを思い起こさせるような唯一無二のパフォーマンスを披露してくれることを、多くのファンから期待されている。
(Yoshiharu Kobayashi ; HigherFrequency)



LFO : 来日イベント情報

i-Warp @ ageHa@studiocoast (2006/05/26)