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Idjut Boys

IDJUT BOYS - イジャット・ボーイズ -

メンバー : Dany Tyler, Conrad McDonnell
スタイル : ディスコ・ダブ
出身地 : イギリス
関連プロジェクト : Fazed Idjut
所有 レーベル : U-Star, Noid Recordings, Cottage

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猥雑でアンダーグランドな匂いを漂わせつつも、クラブ・シーンの中で確実にその地位を確立させて行き、今や数多くの熱心なファンを抱えるムーヴメントにまで発展したディスコ・ダブのパイオニア的な存在である Dany Tyler と Conrad McDonnell からなるデュオ Idjut Boys。ディスコ・ダブ・シーンで絶大な影響力を誇る DJ Harvey が主催していたパーティー Moist に足繁く通っていたという彼らは、’94年に自身のレーベル U-Star を立ち上げ、ファースト EP ‘Idjut Boys’ をリリースすることでデビューを飾っている。ちなみに、その後スタートさせたパーティーの名前にもなった U-Star とは、「リスナー/オーディエンスこそが主役だ」という意味を込めて付けた名前であるらしい。

'98年には、今やディスコ・ダブの重要レーベルの一つとして数えられる Noid Recordings をスタートさせる。そして、そこからの記念すべきファースト・リリースとして、自身の初期音源をコンパイルしたアルバム “Noid Long Player” をリリース。彼らのトレードマークであるダビーな音処理とユーモア・センス溢れるアレンジの絶妙な組み合わせはこの時点で既に確立されており、このアルバムは今聴いてもなお新鮮な魅力に満ち溢れている。また、彼らが敬愛する DJ Harvey や Pete Z 等もノー・クレジットながら参加していることでも話題となった本作は、’06年5月に奇跡の再発が決定して多くのファンを興奮させた。

‘00年には、U-Star よりオリジナル・ファースト・アルバム “More or Less” をリリース。ディスコ / ガレージ・クラシックスから取り出したサンプルを独自の視点から再解釈、それをベースにつくりあげたサウンドに大胆な音処理を施して聴く者に新鮮な驚きを与えることに成功した斬新なサウンドは、当時ホワイト盤で出回り始めていたディスコのリエディットものとは一線を画するオリジナル音源への奥深い愛情を感じさせ、彼らの際立った実力を改めて世間に証明してみせたのであった。

‘05年には、New Young Pony Club や Fujiya & Miyagi のリリースでも知られるロンドンに拠点を置くレーベル Trik からミックス・アルバム “Press Play” を世に送り出す。このアルバムでは、ノルウェー出身の新鋭プロデューサー Lindstrom や、奇才 Mourice Fulton がプロデュースする日本人ヴォーカリスト Mutsumi Kanamori によるソロ・ユニット MU、そして ’80年代に人気を博したニューウェイヴ・バンド Haircut 100 のトラックまで、ジャンルの壁を余裕で飛び越えた超絶ミックスを披露。その類まれなるセンスを遺憾なく発揮したミックスは、アンダーグランドのシーンを飛び出して人気を集めつつあったディスコ・ダブ・シーンの盛り上がりに後押しをされるかたちで、各方面から高い評価を獲得した。

同ミックス・アルバムのリリースに併せて、’05年には日本ツアーを開催。また同年末には西麻布の老舗クラブ Space Lab Yellow のカウントダウン・パーティーに登場して、盛大な盛り上がりを演出したのも記憶に新しい。また、‘06年8月には早くも待望の再来日が決定し、クラブ・ファンにとっては定番のイベントとなっている野外フェスティバル Metamorphose への出演と、Space Lab Yellow での U-Star パーティーの開催が発表されている。
(Yoshiharu Kobayashi : HigherFrequency)