スタイル : ハウス
本名 : Nicolas Chaix
出身地 : フランス
関連プロジェクト : Chateau Flight
関連レーベル : Versatile
ディスコ、ハウス、エレクトロなどといった多彩なジャンルを飲み込んだサウンドと、デトロイト・テクノからの影響も感じさせる深い精神性で高い評価を獲得しているフランスの奇才 I:Cube こと Nicolas Chaix。13歳の頃から、おもちゃのサンプラー・マシーンで自分の声やラジオの音をサンプルして遊んでいたという彼は、大学生になると本格的に音楽活動を開始することを決意する。
少しずつ貯めていた貯金で中古の機材を買い揃えた彼は、早速デモ・テープを作って関係各所に送付。すると、当時パリのラジオ局
Nova Radio のトップ DJ として活躍しており、Versatile の立ち上げを企画していた Gillb'r から連絡を受け、早くもレコード契約を獲得することとなるのであった。
'96年に、Nicolas は I:Cube 名義で後にフランスの名門レーベルとして名を馳せることとなる Versatile からの記念すべき第1弾アーティストとしてデビューを果たす。そして、翌
'97年には同レーベルから Gillb'r とのユニット Chateau Flight としてシングル 'Discobole' をリリース。元々はリミックス・ワークのためのプロジェクトとして始まったという
Chateau Flight は、全世界で200万枚以上を売り上げた Stardust の大ヒット曲 'Music Sounds Better
With You' をはじめ、数々のリミックスを '90年代後半に手掛けているが、'00年以降はオリジナル作品も多数発表、ハウス / テクノをバックグランドに持つ
Nicolas とブラック・ミュージックに造詣が深い Gillb'r のコンビネーションが生み出す奥行きのあるサウンドは、各方面から高い評価を獲得している。
また、ソロの I:Cube としては、'97年にファースト・アルバム "Picnic Attack" をリリース。毎週のようにパリのレコード店で
'70年代のディスコ、ファンクのレコードを漁ってはサンプリングしていたという彼らしいディスコ・サウンドが満載のこのアルバムは、当時先鋭的であったフレンチ・フィルター・ハウスの代表的な作品のひとつとしても知られている。そして、その3年後となる
'00年にセカンド・アルバム "Adore" をリリースすると、またも3年のブランクを経て、 '03年にはサード・アルバム "3" を世に送り出す。デトロイト・テクノやヒップホップという、彼がこれまでに受けてきた多様な影響を幅広く取り入れた本作は、幅広いリスナーからの支持を集めることとなった。
'06年には、パリのプラネタリウムでのライブの模様を収録した CD "Live at the Planetarium" をリリース。"アンドロイドは電気羊の夢を見るか?"
などの著書で知られる Philip K Dick や、"華氏451度" が有名な Ray Bradbury といった作家の SF 的な世界観や、'70年代に活躍しアンビエント・ミュージックの先駆けとなる作品を発表してきた
Tangerine Dream の "Rubycon" などに影響を受けて制作されたという本作は、アンビエント、テクノ、ディープハウス、ダブといった要素が自在に飛び交う独自のサウンドが展開される極めてクオリティの高い作品として評価を受けた。
同年6月には、待望の来日公演が決定。"Live at the Planetarium" の世界を再現してくれるという今回の日本ツアーでは、京都の黒谷・永運院といった寺院でのライブも決定しており、普段とは一味違った
DJ プレイがファンの間では期待されている。(Yoshiharu Kobayashi ; HigherFrequency)
I:Cube : 来日情報
UNTOUCHABLE 1st Anniversary feat. I:Cube (2006/06/15)
Japanection pres. I:Cube"Live At The Planetarium" Release Tour Japan (2006/06/23)