スタイル:ブレイクス
出身地:イギリス
関連レーベル:Marine Parade
オフィシャル・サイト:www.evilnine.org
Evil 9 とも表記される彼らは Tom Beaufoy と Pat Pardy からなるデュオで、 '98年に Evil Nine を結成、友人を通して Adam Freeland の目に留まり、彼の人気ブレイクス・レーベル Marine Parade と契約を果たす。
' 00年2月に 'Less Stress / Special Move' の12インチ・シングルで Marine Parade の7番としてデビューした。それ以降
'Technology / Big Game Hunter' をリリースして漆黒のエレクトロ・ファンクを投下し、ブレイクス・ファンにはお馴染みのデュオとなる。その後の
'02年にプログレッシヴ軍の巻き込みが表面化してきたシーンを背景にリリースされた 'Cakehole' は、大気圏内で作られた音とは思えないほどディープでアトモスフェリックなトラックにヒップホップを注入した、手に汗握る大傑作だった。そして
'04年、人気も頂点に達したころ、デビュー・アーティスト・アルバム"You Can Be Special Too" をリリース。このアルバムのリリース直前のタイミングで、Marine
Parade の存続が危ぶまれたため、不安に駆り立てられたファンが ebay に殺到する騒動を起こし、Evil Nine の人気ぶりが皮肉にも浮き彫りになった。
彼らの作品を新旧問わずひとつでも聴けば、Evil Nine がシーンに与えたインパクトの大きさはお分かり頂けるだろう。彼らの作品は一貫してパンクの反骨精神とヒップホップの DIY 主義を生々しい形で持ち合わせている。パンクとハウスを生ドラムのサンプリングの中に落とし込むそのスタイルは刺々しいヴァイブを持っており、一連の泥臭くフレッシュなリリースは、シーンに新たな「けもの道」を切り拓いたと言えよう。
'05年には Fujirock Festival 出演を果たした他、同年の Breakspoll では彼らの "'You Can
Be Special Too" がベスト・ブレイクス・アルバムに輝いた。今年に入り、"FabricLive. 28"
上で観測史上最高のロックンロール度数を披露し物議を醸しだしたばかりの彼らだが、そういった大胆なことを当然のようにやってのけるあたりも、彼らが愛される所以なのだろう。(Yoko
Doi : www.n-u-c-l-e-a-r.com)