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INTERVIEW

80KIDZ

  • Text & Interview : Yoshiharu Kobayashi

  • 2013.8.2

  • CDJ-2000NXS2 DJM-900NXS2

昨年リリースした3rdアルバム『TURBO TOWN』、そしてその後に開催された新木場Studio Coastでの単独ライヴで、80KIDZはこれまでの活動のひとつの到達点を迎えた。では、そこから彼らはどこへ向かうのか? もちろん、その明確な答えを求めるには時期尚早。なので、このインタヴューでは80KIDZの今年上半期の活動を振り返りながら、現在の2人の音楽的なモードや意識の在り方を探ることにした。配信限定のダンストラックEPシリーズである『8O(ハチ・マル)』シリーズの始動、人気モデルUnaの楽曲プロデュース、そして8月16日(金)には代官山UNITでCDデビュー5周年を記念した9時間のロングセットを披露するパーティーが開催されるなど、2013年も様々な挑戦を続けている彼ら。果たしてその現在地 は?

 

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ーー今回のインタヴューは上半期の活動を振り返るのが主なテーマなんだけど、その話に入る前に、まずは昨年リリースした3rdアルバム『TURBO TOWN』を今振り返ってどう思うか、教えてください。

 

JUN:あれはロックにアプローチしたっていう見え方の作品だよね。僕としてもロックがやりたい時期だったからそれでいいんだけど、クラブとのリンクが薄かったか ら、ツアーで周ってみると(DJでは)かけづらいところもあった。だから、今年はクラブ側にシフトしたっていう感じかな、結果的に。

 

Ali&:作ってる時からそうなるだろうってわかってたけどね。これ出した後に、またすぐに同じ感じの作品を出すことはないんだろうなって。

 

JUN:次は違う感じとは思ってた。あの時はサポートメンバーも上手い人が揃っていて、もっとライヴが上手くできそうっていう感触があったから、ああいう方向に行ったんだと思う。

 

Ali&:いや、ぶっちゃけデモを作っている段階で、「キックがあります、シンセがあります」 っていう従来の作り方に飽きてたんじゃないかな、単純に。もう4年もやっていたから。

 

 

ーーモチベーションをもう1回上げるためにも、これまでとは違ったアプローチに挑戦してみたところがあった?

 

Ali&:そうだね。4、5年周期でしか、ああいうの作らない気がするから。でも、それをやったことによって、集大成としてStudio Coastでライヴが出来た。あそこでやりたいっていうのが凄いあったから。ライヴをやりまくっての、ひとつの到着点っていう感じだったね。

 

 

ーーなるほどね。で、今年に入ってからは、デジタルのEPシリーズを出したり、シンガーのプロデュースをしたり、いろいろとやっているでしょ。それっていうのは、去年のアルバムと、その前のEP『HOT STUFF』で一旦全てを出し切ったから、また新しい何かを模索する段階に入ったのかなと思っているんだけど、そこのところはどう?

 

Ali&:それはちょっと違うかな。去年から『PEOPLE ROOM』とかやったじゃん。今までは80KIDZとしてのDJをやっていたところがあるんだけど、最近はもう単純に好きなものしかかけないし、それでお客さんが引いても別にいいやって思うようになったんだよね。 1stアルバムを出して以降、こうやらなくちゃいけないっていう活動の仕方をしてたんだけど、最近はそういうの関係なく好きなことをいろいろやっているうちに、「ああ、元々俺らはこういうのを作って出てきたんだ」って気づけた。じゃあ、またやってみようかな、っていう風になったのが2013年の活動のきっかけ。

 

 

ーーそれで今作っているのが、ダンストラック・オンリーのEPシリーズっていうこと?

 

Ali&:そうそう。もうクラブミュージックをかけたくて仕方ないっていうか、作りたくて仕方ないっていうか、これくらいみんな作れば? っていう(笑)。日本の人達が誰も作ってないからやってるんだよね。

 

 

ーー具体的に、第1弾の「80:01」はどんなイメージで作ったの? 90年代のレイヴミュージックっぽい雰囲気が強いと思ったけど。

 

Ali&:僕は〈R&S〉を意識して作った。初期の〈R&S〉。今の若い人達に対して思うのは、昔はキックとかビートで踊る感じだったんだけど、最近はブレイクでひたすら盛り上がる感じだっていうこと。ワーッと手を挙げたりして。でも、ブレイクが終わったらそのまま踊り出すんじゃなくて、おとなしくなっちゃうんだよ(笑)。そういうところが多いか ら、じゃあブレイクを派手にしてやるよ、っていう。3曲全部そんな感じだと思う。

 

 

 

ーー確かに緩急が凄くついている曲構成だよね。でも、〈R&S〉っぽいのを今やりたいと思ったのはどうして?

 

Ali&:去年『PEOPLE ROOM』をやってる時に、DISK UNIONでめっちゃ〈R&S〉初期のを掘ったりとか(笑)、YouTubeでも見たりしてて、それで、「いいな、今っぽいね」って思ったの。で、僕は1曲だけで、残り2曲はJUN君が作った。

 

JUN:初期の曲は、普段DJでかけてるやつを真似して作っているようなところがあったんだよね。だから、その時とはジャンルは違うけど、今回僕が作ったやつもノリとしては一緒。普段かけてる曲と流れでかけられるもの、リンクしているものを作ろうっていうことだった。最近、僕はハウスとか、アシッド、ガラージっぽいやつが多いから。 ベースミュージック流れのハウスっていう感じ。でも、あの曲は年明けぐらいから作り始めていて、2、3ヶ月寝かせてたから、早く出したいと思ってたんだよ。

 

 

ーーたぶん、こういったタイプのアッパーなダンストラックは、これまで出したことがないんじゃない?

 

Ali&:ないでしょ。80KIDZとして作ったことがないと思う。最初のEP『Life Begins At Eighty』にだって泣きがあったりするけど、これにはないからさ。コード進行があんまりなくて、全然泣かないっていう。

 

 

ーーそういったタイプの曲も、現場に来るお客さんはOKっていう感じ?

 

JUN:全然大丈夫、っていうか逆に盛り上がるよ。

 

Ali&:だって、フロアで泣いてる曲ないじゃん、今は。

 

JUN:昔はロックのリミックスが流行ったけど、今はないからね。時代がそういう感じなんだよ。

 

Ali&:“White Noise”(※AlunaGeorgeをフィーチャーしたDisclosureのシングル)とか意外と盛り上がらないしね。家で聴けばいいから、ああいうのは。

 

 

 

ーー次の『80:02』は、『80:01』とはまた全然違った曲調だよね。だから、本当に良い意味で気軽に、その時々で自分の中で流行っているものをどんどん出していく感じなのかなと思ったんだけど。

 

Ali&:そうそう。『80:01』はクラブでアッパーな感じをイメージして作ったんだよね。今回の『80:02』もそれを意識してはいるんだけど、もうちょっとラウンジを意識したのを2曲と、最近小林君がよくツイートしているDisclosureとかAlunaGeorgeみたいな感じと、UK ベースみたいなやつね。あともう1曲は、ひたすらアッパーなやつっていう。

 

 

 

ーーひたすらアッパーな曲は、もう直球のエレクトロだよね。

 

Ali&:そう、「ただのエレクトロ!」 っていう。最初の頃のZZTとか、Brodinskiの “Bad Runner”とか聴いてたりして。あの時代のやつ。

 

JUN:振り切ってるものって、ProxyでもZZTでも、いまだにかっこいい。ブチ切れ過ぎて狂ってる感じが。

 

Ali&:今のを聴いてても、フランスとかドイツの、エレクトロから卒業したと言いつつ卒業してない人達は、ああいうのを作ってるじゃん。だから作ってみようかなって。滑ったら滑ったでもう作らないし(笑)。

 

 

ーーこういう風に、その時々で自分が好きなサウンドをどんどん出していくのって、純粋に楽しんじゃない?

 

Ali&:楽しいけど、2枚作ってちょっと飽きたかな(笑)。

 

 

ーーでも、このままシリーズで出していくんでしょ。

 

JUN:『80:04』までは頑張って出すよ。

 

 

ーーそれと並行してUnaっていうモデルの女の子の楽曲プロデュースも始めたよね。これはどういった経緯で?

 

JUN:やってみたいっていうのは前からあったんだよね。どんな感じかわからないけど、自分達の曲以外にも、仕事の振れ幅としてプロデュース業もありかなって。振れ幅を広げるのは良いことだと思うから。

 

Ali&:僕はそれとはちょっと違って、歌を作るっていうのを真剣に意識しないといけないなと思って。本当に、歌っていうのは何なのかを理解したくてやろうと思った。だから、やるって決まったばかりの時は、毎日アコギばっかり弾いて、いろんな歌をコード弾きながら歌って、「ああ、こういう風になってるんだ」っていうのをずっとやってた。僕は中学校とか高校の時に曲を作り始めた時から、どちらかと言うとインストの方が好きで、歌はあんまり好きじゃなかったから。

 

 

ーー80KIDZ として曲を作る時も、それほど歌を意識したことはなかった?

Ali&:“Spoiled Boy”の時は意識したけど、(トラックよりも) 歌の方が多いのは今回が初めてだから、ちゃんと考えないとなって思った。いきなり出来ないからね。

 

 

ーー実際、彼女のシングル『JUICY JUICY』は、どこまで80KIDZがやってるわけ?

 

Ali&:2曲目(“LONELY FLOWER”)は全部。で、1曲目(“JUICY JUICY”)は歌詞と歌メロを別の作家さんが書いて、アレンジは全部僕らっていう感じ。

 

 

 

ーーやってみての感想はどう?

 

JUN:まあ、大変だよね。

 

Ali&:先に案件があったんだよ。こういう曲を作ってくださいっていうのが全部あって。

 

 

ーーCMタイアップ曲だしね。

 

JUN:そう。だから、いろんな人がいて、いろんな意見を言われるんだよね。「EDM っぽくしてください」 とか。

 

Ali&:これをやり始めた時は、EDMをちょっと理解しようかなと思ってたし、実際によくできてるなとは思ったけど……でも、いろいろEDMを聴いてて、Diploだけは違うのがわかったよ。

 

JUN:「David Guettaみたいなのをやってくれ」ってなってくると、僕らじゃなくても器用な作家さんができるだろうし。

 

Ali&:ただ、EDMだろうが何だろうが、歌として良いものを作るのは常に勉強しないとな、とは思っていて。やっぱりヒット曲は何かがあって売れてるわけだから、それをもうちょっと勉強して、分かった上でいろいろと言うようにしないとね。

 

 

ーーこの経験で、自分が何をしたくて何をしたくないかが、ちょっと見えてきた感じ?

 

JUN:そうだね。

 

Ali&:やってわかったことがあるなら、やらないよりはいい。

 

 

ーー今年はもう色んなプロジェクトに取り掛かっているから、オリジナルのアルバムは作らないよね?

 

Ali&:今回のEPシリーズをまとめたダンスミュージックのアルバムは出すよ。12月の予定。でも、フルアルバムは来年また早めのタイミングで出すと思う。僕、やりたいことは頭にいっぱいあるんで。

 

JUN:頭にあってもやらないタイプじゃん(笑)。

 

Ali&:そう(笑)。でも、ネタが無いわけじゃないんで、まだいいよね。

 

 

ーーやりたいことって具体的には?

 

Ali&:歌は意識しているし、「何これっ?」みたいなものをやりたい。最初に出てきた時みたいな、「何こいつら?」って思われた時のような感じ。そういうのを作らないと。それに歌が必要だったら歌を入れるし。あと、最近、僕は映画をよく見てるんだよ。だから、映画の影響は凄くあると思う。映画ってその時代に流行っているモードが出るじゃん。特にヨーロッパの映画って。「こういう音楽で、こういうファッションで、こういう映像をやってるんだな」っていうのを見てる。特別コンセプチュアルにしたいわけじゃないんだけど、自分の中でテーマがあって、それを表現するためにこういう曲にするっていうやり方はやってみたいと思ってるよ。

 

JUN:ういーす。

 

 

ーー適当な返事(笑)。JUN君はまだアルバムのことまでは考えていない?

 

JUN:僕はまだ今のEPシリーズに意識が行ってるから。それにプロデュース業もあるし、終わったら休みたい(笑)。

 

 

ーーEPシリーズを聴いても分かる通り、80KIDZは常に海外のモードは敏感にキャッチしていると思うけど、国内では何か面白いと思えるアーティストとか動きってある?

 

JUN:今度、〈PARK〉から出すやつでしょ。

 

 

ーー繋げたね(笑)。

 

JUN:大概良いよ。BERSERKER CHILDREN CLUBにnakayoshi group。BERSERKER CHILDREN CLUBをやってる子達はシューゲイザーが好きで、〈4AD〉みたいな音がやりたくて、なんなら〈4AD〉から出したいっていうくらいの勢い。そういうのをやってる国内のバンドにしたら僕は好きだね。

 

Ali&:パッションを感じるよ、存在からも音楽からも。でも、これは書いておいてほしいんだけど、〈PARK〉は僕らのレーベルじゃないから(※80KIDZのマネージャーがレーベル・オーナー)。僕らはレーベル所属アーティストっていうだけで、それぞれのアーティストにいろいろと口を出す権利もない。

 

 

 

ーーじゃあ、これは80KIDZに訊くことじゃないかもしれないけど、〈PARK〉のリリースは結構バンドが多いよね?

 

Ali&:そうだね。今回出すバンドの2組は、海外でクラブミュージックをやってる若い子みたいな勢いやセンスを感じる。でも、こっちでクラブミュージックやってる若い子にはあまりセンスを感じない。

 

JUN:上手いけど、上手過ぎてね。

 

Ali& :上手いし、よく出来ているけど、「だから何?」みたいな。これは何回も言ってるかもしれないけど、若い頃に海外に行った時に、向こうの〈PIAS〉の人達とかから、「お前達はヨーロッパの人達と何が違うの?」って凄い言われたの。それが歳を取ってきて段々わかってきて。向こうっぽいものを作るっていうんじゃなくて……モードは一緒なんだけど、そこにどう自分の色っていうか、自分が育った環境とかが出せるかっていうのがあるんだよね。で、その2組はそれがちゃんと出せてると思う。

 

 

ーーなるほどね。最近、日本だとネットレーベル系のアーティストが勢いあるでしょ。そこはどう思っているの?

 

Ali&:良いと思うよ、でもそこまで細かく聴いてない。

 

JUN:僕も最近聴いてない。〈Maltine Records〉とかまでは聴いてたけど。でも、2、3年前に僕が聴いていた時は凄くドメスティックな香りがしたから、ジャパテクとか、やけのはらさんとかそのへんの感じに落とし込まれるのかなとは思った。僕らをスルーして、一気にその辺の大人と繋がるのかなって。

 

Ali&:そういう意味では日本独特のものだから、良いんじゃないかね。

 

JUN:嫌いじゃないけど、僕とはリンクしない。tofubeats君とか、ミックスとか上手いなと思うけどね。アレンジも上手いし、鍵盤が弾けるんだろうし。

 

 

ーーじゃあ、自分達とは完全に別世界っていう感覚なんだね。

 

Ali&:残念ながら。日本って狭いけど、マーケットが大きいじゃん。同じジャンルでも、いろんな村があるでしょ。それぞれが、その中のひとつだよね。相見られないんだろうなって。まあ、でもあれだね、僕らも中堅になったよ。まだ5年しか経ってないけど。

 

 

ーー今度、UNITでCDデビュー5周年のパーティーをやるよね。その話もちょっとしようよ。ライヴでやって欲しい曲の募集をしているけど、どのへんの曲が上位に来ると思う?

 

JUN:やっぱり“Disdrive”じゃない?

 

Ali&:“Disdrive” はそんなになかったよ。“Weekend Warrior”が多かった、今のところ。

 

 

ーー“Disdrive”はしょっちゅうライヴでやってるからね。

 

Ali&:そうそう。このままだと“Weekend Warrior”をやらなくちゃいけない。あれ、意外とライヴで盛り上がらないんだよね。だから、(普段はセットリストに)入れないのよ。それで投票してくれてるんだろうけど、やらなくなったのはみんなのせいだ、って僕は言いたい(笑)。

 

JUN:あと、今回のイベントは特典がつくよ。前売りを買った人全員と、当日来場した人先着200名に未発表音源集をプレゼントする。みんな来てくれたら嬉しいね。あと5年頑張って、10周年もやらないといけないし。

 

 

 

ーーじゃあ、最後にこれまでの5年を振り返ってと、これからの5年をどうしたいか教えてください。

 

JUN:5年でアルバム3枚も出して、『FUJI ROCK』にも出てたら、結構良いよね? 5年で大体できることはやった感じはするな。

 

Ali&:最初の3年は大変だったけど。1st出して、いきなり『FUJI ROCK』とか海外とか行って。でも、そこからはそんなに大変じゃなかったって言うか、その後の『FUJI ROCK』は1回目よりも全然余裕で出来た。

 

 

ーー段々と自分達のペースが掴めてきたっていう感じ?

 

Ali&:うんうん、活動のペースが掴めてきた。やっぱり1から10まで(マネージャーを含めた)この3人でやってきたんで。もちろんメーカーもいるけど。よく大人の人達がいっぱいいるこの業界で5年も残れたなって。ありがたいなと。そろそろ、もう少しペースを緩めてもいいんだろうなっていうのもあるけど、5年経って。

 

 

ーーじゃあ、今後の5年はどうしたいと思ってる?

 

Ali&:今後、今より良くなるかもしれないし、悪くなるかもしれないけど、僕らはずっと日本の音楽業界に対してこのスタンスで続けていきたい。挑戦する側の方なんで、常にそういられるようにしようと思ってるよ。

 

 

End of interview

Pioneer DJ

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